10年目迎えたトリエンナーレ 地域・市民と連携進める ノウハウの集積に課題も
3年に1度の現代アートの祭典、「ヨコハマトリエンナーレ2011」が横浜美術館とその周辺地域で開かれている。会期は8月6日(土)から11月6日(日)。「市民協働」を掲げ、市内の地域イベントや900人を超える市民サポーターと連携を進めている。
2001年に第1回が開催されたヨコハマトリエンナーレは、05年展、08年展を経て、10年目の節目を迎えた。動員数はのべ100万人を超えるが、現代アートというテーマのせいか、市民への認知が行き届いているとはいいがたい。
そこで、4回目となる11年展で目指すのは、「まちにひろがるトリエンナーレ」の実現だ。市内各地で行われる様々なアートプロジェクトを連携プログラムと位置づけ、「つながり」をアピール。金沢文庫芸術祭など市の文化芸術による地域づくり事業である「横浜アートサイト2011」の11イベントを始め、連携プログラム数は60を超えた。相互に広報連携をとることで、会場となるMM地区のみならず、文化芸術創造都市として市全体で盛り上げることを目指す。
また、トリエンナーレの認知度アップに必要不可欠とされているのが、市民サポーターの活動だ。今回、総合ディレクターを務める横浜美術館館長の逢坂恵理子さんは、市民サポーターに求めていることとして「一人ひとりが情報発信し、口コミで宣伝を広げること」を掲げている。
市民サポーターは開催前の準備で、4グループに分かれて活動。これまで手作りの周辺ガイドマップの製作や、区民まつりなどへの出展とPR活動、アーティストの作品制作の手伝い、運営補助や活動記録などを行ってきた。会期中は主に会場運営をサポートしている。事務局の山本紀子さんは、「サポーターは運営を支えるだけでなく、一番のファンでもある。いなくては成り立たないありがたい存在」と評価する。
だが課題もある。これまでトリエンナーレに関わってきた市民ボランティアはのべ3400人余りに上るが、3年に1回という開催サイクルのため、解散と再召集を繰り返してきた。そのため、前回のサポーター運営の経験やノウハウが集積されにくいとの声もある。会期後に事務局を存続させるなどの運営の見直しも検討する余地があるだろう。
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