「買い物に困る」5割 寺尾地域でアンケート
「鶴見寺尾地区福祉のまちづくり推進協議会(てらお福まち協議会)が、寺尾地区の自治会・町内会加入者を対象に買い物に関するアンケートを実施した。その結果、自宅周辺に店が無いなどの理由から、買い物困難者になっている住民が寺尾第二地区を中心に数多くいる実態が明らかになった。
てらお福まち協議会は、街の資源や魅力、課題の共有を目指し、様々なプロジェクトを企画。地域住民を中心に行政・団体などが支援して活動している。
今回のアンケートは、「商店の閉店が続き、近くに食料品を購入できる所がなくなり、困っている方がいるのでは」という意見が持ち上がったことをきっかけに始まった。
近所の店が閉店
協議会は、昨年5月から寺尾地区自治会連合会と寺尾第二地区自治会連合会に協力を呼びかけ、アンケートを配布。2地区合わせて約5000の有効回答が集まった。
そのうち、買い物に困っていると答えた人は、寺尾地区で24%だった一方、寺尾第二地区では52%に上った。また、寺尾第二地区は、40%の人が「近くに店がない」と答えており、最もよく利用する買い物先は港北区のトレッサだった。
関口清春作業部会長は、「昔は公設市場があったり商店も多かったが大型スーパーなどに客をとられて閉店してしまうところが多くなったのが理由の一つ」と背景を推測する。
将来に不安の声解決策を模索コミバスは断念
寺尾地域には、約5万5000人、約2万4000世帯(2011年2月現在)が暮らす。山坂が多く、道が狭い地形で、協議会では地区内にコミュニティバスを走らせようと他地域の視察を行ったが、道幅が狭いところが多く断念した過去もある。
集計作業をした住民からは、「自分はまだ大丈夫と思っていたが、近い将来は自分も」など、誰もが買い物困難者になる可能性があるという認識が広がった。
また、子育て中の主婦からは、「二人目を出産した頃、近所のお店が閉店。3歳と0歳の子どもを連れて遠くまで買い物には行けなかった」という声が上がるなど、高齢者だけの問題でないこともわかった。
地元商店支援に
この結果を受け、現在作業部会では必要な対策や支援について話し合いを始めている。公表したアンケート結果を見た獅子ヶ谷のドラッグストアが、協議会に「何か手伝いたい」と申し出ており、どのような形で協力ができるか話し合っていく予定だという。
関口部会長は、「今後は大手スーパーの配達サービスなど支援が必要になると思う。アンケートの精度を高めるとともに、寺尾地域それぞれに最適な支援を模索していきたい」と話していた。
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