ピアニストとして活躍する 八木下 侑子さん 馬場在住 27歳
空気と同じピアノと共に
○…鶴見区民文化センターサルビアホールを拠点に活動するレジデントアーティストに41組の中から選ばれ、1月26日、ホールでのコンサートに臨む。「響きの良いホール。肩肘はらずに聴いてもらえるような内容にしたい」と気負わずに意気込む。「地元に愛着があるので、鶴見が盛り上がることに参加できるのは嬉しい」。卒業した東京芸術大学で週2日、教育研究助手として働く傍ら、コンサートの準備などに忙しい日々だ。
○…鶴見生まれ。作曲も手がける会社員の父とピアノの先生だった母の影響で3歳からピアノを始めた。「2人が何かやってて楽しそうと、仲間に入りたいと思ったんでしょうね」と、きっかけにほほ笑む。バレエや水泳、習字など、たくさんの習いごとに通ったが、続いたのはピアノだけ。「集中してしまうタイプ。突き詰めて何かをやっていたほうがいいと思っていた」。部活も遊びもせずにピアノに打ち込んだ高校時代。全国クラスのコンクールで賞も受賞した。
○…「そこにあるもの。空気みたいで生きがい」と語るピアノは、趣味とも同じ。考えない日はないが、「一人で色んなところに出かけるのが好き」と、自然の中や寺社仏閣へ足を運ぶことが息抜きだという。たまにする料理もストレス発散になるが、凝り性の性格から「ケーキを作ろうと10日前から練習して、10個作ってしまったことがある」と苦笑いする。
○…「学校は勉強を与えてくれるが、卒業してからは自分で探さないと成長しない」。聴くのはピアノだけを弾いてきた人ではない。「感情や感覚を音にして伝えたい」。そのために、友だちと遊んだり、恋愛したり、多くのことを経験したいと思うようにもなった。思い描く音を探すのは難しいこと。「音楽をしていて、幸せと思うのは一瞬。でも、最高齢で弾き続けるピアニストになりたい」。ピアノとともに人生を追い求める。
|
<PR>