生麦魚介商組合の理事長に就任した 昼間(ひるま)和久さん 生麦在住 50歳
笑顔あふれる魚屋さん
○…生麦で魚屋を営み20数年。50歳という歴代でも異例の若さで生麦魚介商組合の理事長に就任した。魚河岸祭りの運営や同業者での情報共有に努める。若い人の意見には積極的に耳を傾ける兄貴分だ。親から受け継いだ魚屋を、地域に根差して切り盛りする。
○…子どもの頃は魚屋になろうとは思わなかった。「魚のはらわたを捌いたりしたくないでしょ」。当時を振り返り笑い飛ばす。「父も継がなくていいよと言っていた」。高校卒業後は八百屋に就職。中央卸売市場で働いていたこともあった。それでも20代半ばになると、年を取るとともに体力的に辛そうな両親を放ってはおけなかった。「働かせて」と父に頼み、家業を継ぐことに。今では「自分が気に入って買った魚に値をつけたり、お客さんや仕入れ先とのやり取りが楽しい」と、すっかりまちの魚屋さんになっている。
○…平日は午前3時半起きだが、休日は「寝て過ごす」という。町会などにも積極的に参加。「地域に関わると視野が広がる。人と知り合うっていいこと」。若い頃は「面倒くさかった」という近所付き合いを、今は大切にしている。魚の食べ方には飽きない工夫が。「鰹はつぶして日本酒をかけ、ラップで覆ってレンジでチンするとおいしいよ」。魚屋ならではの調理法だ。
○…今後は魚河岸通りに活気を取り戻すべく活動していく。「昔までとはいかなくとも、人通りが増えてくれれば」。地元の学校などと協力し、活性化イベントを仕掛ける。生麦中の生徒が元気に客を呼び込む姿を見て、「地域とのつながりはうれしい。協力しながらやっていくのが重要だとつくづく思うようになった。楽しくやらなきゃ」。無邪気に笑う。同業者は全盛期の10分の1以下まで減った。それでも、「通りに魚屋はずっと残していきたい」と思い入れを語る。苦しい現実を見据えつつも、「やってみなきゃだめ」と、笑顔が曇ることはない。
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