矢向の日枝神社(萩原諄夫宮司)に江戸時代から伝わる伝統芸能「郷神楽」。その舞台が、10月26日午後4時から5時まで、同神社の例大祭で上演される。
神楽は、日本書紀や古事記などの神話を題材にした仮面黙劇。笛や太鼓の伴奏に合わせ、演者が舞踊化した手話のような形で、心の機微を表現する。江戸の後期・文化文政期に隆盛を極めた。狂言や歌舞伎などからも影響を受け、娯楽性の高い舞台でもある。
日枝神社の神楽は、もともと市場の横浜熊野神社に伝承され、受け継がれたもの。横浜市無形民俗文化財にも指定されている。
現在メンバーは、20代から70代の約20人。神楽師ではなく、別の職業に就く人たちばかりだ。毎週水曜日に練習し、依頼があった神社の祭りなど、1年で20公演くらいをこなすという。
「今で言う劇団のようなもの。年々公演数も減り、メンバーも少なくなった」と萩原宮司。最近では上演中に場面解説をはさむなどして見やすさに工夫をこらすが、演者については「やる人ではなく、やれる人がいない」と伝統芸能を身につける難しさが演者減少につながっている。
萩原宮司は、「仮面の向きで感情を表すなど、黙劇ならではの楽しさがある。今年は今回が最後なので、舞台を見て感じてもらえたら」と話す。
伝統芸難しく
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