さまざまなアイデアでまちづくりに尽力する 宮野 昌夫さん 馬場在住 76歳
街灯が生んだ思いを繋ぐ
○…「3つ、地元のためにやりたいことがあった」。馬場に住んで約50年。「もう故郷だよ」という鶴見に何かを残したいと奔走する。その一つが、水道道を星型のイルミネーションで照らす「スターロード」。今年で15回目となった企画を発案した。「実行委員会は会長を置いていないんですよ。だから、私がえらいわけじゃない」と謙遜する。
〇…北海道生まれ。17歳で横浜に移り住んだ。「芸事が好き」という青年は、映画会社・大映で俳優の道へ。だが、嫌いだったテレビの時代が到来し、道を変更。「劇団ひまわり」の創設に携わり、講師なども経験した。そんな経歴の中、地域のまちづくりに興味を持ったのは、結婚を機に馬場に住み始めてから。1965年に越し、翌年に入会した自治会。班長を務めたとき、『街灯がなくて怖い』という声に応えた。「集まりで当時の会長に言ったら付いたんだよ。そしたらお礼の手紙が来てね」。感動してもらえる活動。やりがいを感じ、のめり込んだ。
〇…『人が来ない家は栄えない』と、小さいとき、父からそう聞かされた。それを守るように、76年から営むレコード店は365日休みがない。「お客さんが来たときに開いていなかったら申し訳ない」。朝10時から夜10時まで、自治会の会合などがない限り、店に立つ毎日。ただ、「近所の人が寄ってくれて、おしゃべりが楽しい。新しい企画の智恵ももらったりね」と、息抜きでもあると笑う。
〇…現在、残りの2つ、地域の埋もれた旧跡などを高札で伝える『てらお奉行』の実施と、自身が詞を書いた『鶴見ふるさと音頭』の完成を目ざし、活動を続ける日々。馬場町南部自治会の会長になって20年超。一本の街灯から始まった思いは今も変わらない。「意見が出たらまずは前向きに取り組む。できなかったら仕方ない」。色々な人に出会った地元。「長屋みたいな町にできたら」。感動を求め、絆の灯をつなげていく。
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