無人観測機ディープニンジャ 南極「越冬」に世界初成功 鶴見精機開発 温暖化研究を後押し
(株)鶴見精機=鶴見中央=と独立行政法人海洋開発機構の共同開発で生まれた深海用無人観測機「ディープニンジャ」がこのほど、世界で初めて1年に渡り南極における海洋深層の水温や塩分観測に成功した。関係者らは「今回の観測を発展させれば、温暖化による影響なども具体的に明らかになるだろう」と期待を寄せている。
地上の気候は、海洋の深層で行われる海水の循環が決めていると言われる。循環により暖かい水と冷たい水が交換され、太陽から受け取る熱の不均衡を防ぎ、私たちが生活しやすい気候を維持していると考えられているからだ。
南極周辺は、この循環が生成される場所として重要とされるエリアだったが、継続して観測できる機器がなく、これまで十分なデータが得られていなかった。
関係者ら歓喜
「ディープニンジャ」は、深海4000mまでを無人調査できる世界初の観測機。同機構は同年12月からディープニンジャを使い南極での観測を開始。その結果、今年11月までの1年を通した海洋深層の水温、塩分観測に成功した。
観測成功に同社の開発メンバーも沸く。開発に携わったジェーナ・スシールさんは、「素晴らしい」と笑顔を見せる。また、雨池健一さんは、「自然相手の観測は予想できないアクシデントも起こる難しさがある。観測データが届いた時は感動した」と振り返る。
今後もディープニンジャは、さらなる改良を重ねながら、南極で本格展開していくという。
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