高齢者の声カードでつかむ 諏訪坂 住民配布し見守り
高齢化に伴い、地域で高齢者世帯などをどう見守るかが課題となる中、諏訪坂では自治会などが中心となり、高齢者の声をすくう地道な活動を続けている。
2月21日夜7時30分。諏訪坂公園を訪れると、地域住民ら約10人が集まっていた。メンバーは二手に分かれると、住宅街をパトロールしながら、いくつかの家のポストに黄色のカードを届けていく。
内容を見ると、日時と時間、担当者の名前、連絡先、『付近をパトロールしましたが異常は認められませんでした』のメッセージ。一人暮らしの高齢者世帯など約30世帯に月に1回以上配布している。
大雪でSOS
この「パトロールカード」は2年ほど前から配布するようになった。「防犯パトロールなどだけでは、なかなかコミュニケーションにつながらない。自分からSOSも伝えられる通信手段になればと配布を始めた」と諏訪坂自治会の池田昇会長は話す。
大雪が降った今月には、1人暮らしの住民が、カードを頼りに「家の雪かきをしてくれないか」と連絡が来ることもあった。「感謝の言葉をもらうことも多い。住民の安心感につながっていると思う」とパトロールに参加する烏田次雄さんは話す。
地域で協力を
諏訪坂では、住民がサポーターとして日常的に周囲の高齢者世帯の異変に気を配るなど、地域全体での見守り活動を進めている。
池田会長は、「自宅で倒れた一人暮らしの住民に、周囲がすぐに気付けない出来事があった。地域の見守りを担う民生委員だけでは手が足りない」と、地域ぐるみで見守り体制を整える重要性を語る。
活動に参加する住民らは、「安心な地域づくりのために、今後も配布を継続していきたい」と、優しく街を見守っていた。
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