震災の年の秋ごろから、年に1度、岩手県山田町と大槌町の小学校2校に、本を贈っている人がいる。区内で本の修理などを行う製本ボランティア「舞鶴」のメンバー、西津貴美子さん(71、東寺尾中台在住=写真中央)だ。これまで贈ったのは50冊以上。舞鶴のメンバーらとともに、手作りのメモ帳カバーも製作し、卒業する児童に記念としてプレゼントもしている。
「お金で済ませたくない」
きっかけは震災前、新聞の投稿欄で、岩手県滝沢市(旧滝沢村)に、同じ製本ボランティア団体があることを知ったことだった。
「全国的にも数少ない製本ボラ。嬉しくて、震災前の2月にあった活動報告の展示会で、そのことを知らせてしまったの」
そんな中で起きた東日本大震災。気がかりが募った。「募金は手っ取り早いけど、お金で済むのだろうか」と悩んだ末、本を贈ることを決めたという。
ボランティアの存在しかわからなかった西津さんは、当時の滝沢村役場に依頼。所在を探し当てた。内陸のため被害の少なかった村は、山田町と大槌町を支援しており、その伝手で小学校へ寄贈することになった。
本は各校から希望を聞き購入。修理用のテープも添え、費用は西津さんが全額負担している。「地震のときに学校にいた子が卒業するまでは続けようと思う」と西津さんは話す。
手作りでメモ帳カバー
「もっと応援しよう」。手作りのメモ帳カバーは、舞鶴メンバーが協力を申し出て始まった。
布の端切れを使い、丁寧に作られたカバーは、卒業生への記念品。「忘れられるのはつらいこと。届けば、まだ覚えてくれているというのが伝わるはず」とメンバーは気持ちを込める。
カバーには、何種類かのメッセージカードも添える。『祝卒業。疲れを知らない中学時代こそチャレンジの時。目標を持ってね』
手にした子どもたちからは、お礼の手紙や年賀状が届く。「やっぱり嬉しい」と西津さんはほほ笑む。今年は2校で約90人分を作った。3月10日ごろに発送予定という。
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