はじめて被災地を訪れたのは、2011年7月だった。「実際に見るとここまで違うのか」。畑にはボートが突き刺さり、電車は横倒れのままだった被災地の光景に、会社員の稲坂信昭さん(獅子ヶ谷在住)は絶句した。「被災地と自分の生活にギャップを感じた」
稲坂さんは、これまで個人でボランティアバスに乗り、被災地を12回訪れている。現地では側溝の泥かきや遺留品捜索などに尽力。「津波の時間で止まったであろう時計などがある。野っぱらでも家の跡が残っていたり」と、心に重くのしかかる風景がたくさんあるという。なかでも印象的だったのが、2012年8月に行った宮城県気仙沼市での海岸清掃。「人間や動物の骨があるかもしれないと説明された。清掃後、線香をあげていると、涙が流れていた」という。
「仙台は第二の故郷」
被災地とは遠からぬ縁がある。「若い頃、仙台で仕事していた時期があった。第二の故郷だよ」と思い入れはひとしおだ。「同級生は今も仮設住宅に住んでいる」。それだけに、遠く離れていても、他人事とは到底思えなかった。
「月一で現地へ行きたい。そこで見えてくるものがあるかも」。現地で増えていく仲間との出会いが、ボランティア活動の魅力だという。フェイスブックで更新される仲間の活動に、日々刺激を受けている。
「被災地は忘れられることが嫌だと思う。どこまでやれているのかわからないが、行くことが支援になる」。仲間とともに、活動は続いていく。
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つるぎん27日に4月25日 |
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