東寺尾と馬場の旧跡12カ所に、言い伝えなどを記した高札を設置する「てらお奉行」事業が、このほど始動した。地元の自治会が中心となって実施。3月24日には区長らを招いた報告会が開かれ、今後も高札の設置を進めていくことを明らかにした。
高札とは、中世から江戸時代にかけて、民衆向けに法令などを公示していた掲示板のこと。「てらお奉行」と名付けられたこの事業は、地元の隠れた旧跡を高札にまとめ、地域住民に伝承していくことを目的に実施される。
発起人は、馬場町南部自治会の宮野昌夫会長(76)。「地元でもあまり知られていない伝説が、地域には多くある。若い世代に伝えられたら」と、昨年6月から取り掛かっている。
宮野会長は東寺尾第一自治会(清水正男会長)、馬場町第二自治会(上野泉会長)、馬場町自治会(友野誠二会長)、馬場西部自治会(佐藤徹弘会長)に協力を要請。寺尾地域ケアプラザや東寺尾地域ケアプラザ、鶴見区社会福祉協議会も賛同し、ヒアリングを重ねながら各地の言い伝えを集めた。
ふれあい樹林の木を活用
高札の木は、東寺尾ふれあい樹林のケヤキを使用。作成は地元の瀬沼工務店に依頼し、なめらかな仕上がりに。佐藤会長らが文字を書き、3月17日には入江川せせらぎ緑道沿いや同樹林内など、東寺尾と馬場の12カ所に設置された。
報告会で高札を目にした征矢雅和区長は、「立派な高札に仕上がっている。このような形で地域に戻ってくるのはすばらしい。歴史を語り継ぐ財産になれば」と活動を称賛した。
ハイキングも企画
高札は、寺尾地区を中心に今後も設置を続ける予定。将来的には高札を巡るハイキングも企画するという。「肩の凝ったものではなく、歴史を噛み砕いて伝えたい。子ども向けのスタンプラリーもできれば」と宮野会長は話す。
知る人ぞ知る秘話を未来へと伝える「てらお奉行」の高札。「語り部がいる間に高札を増やしたい」と宮野会長は意気込んだ。
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