鶴見区食品衛生協会会長を務める 坂入 義光さん 市場東中町在住 68歳
謙虚に人を思いやりたい
○…安全でおいしい食事を楽しむために、切り離せないのが食品衛生。食に関わる営業者などから成る「鶴見区食品衛生協会」は、その大切さを飲食店や一般家庭に呼びかけてきた。27日には食中毒予防キャンペーンを実施した。「予防には、手洗いの心がけや食品の扱いなどに注意することが大事。少しでも食中毒を区内から出さないようにしたい」と優しく語る。
○…茨城県出身。繊維関係の会社への就職に合わせ上京したが、2年ほどで退職。当時繊維製品の対米輸出は、日本とアメリカの貿易交渉の末、制限されることになっていた。時勢を見極め「繊維業界は先が見えない」と、サラリーマン生活から心機一転始めたのが、店主を務めている「井戸屋」だ。餅菓子の製造からスタートし、1980年から定食などを出す食事処としても営業するようになった。40年通っている常連客もいるといい、長年地元に根付いてきた。
○…店は夫婦が中心となって切り盛りしてきた。「働き者の妻の支えがあってここまでやれている」と感謝する。結婚以来ケンカをしたことはない。円満の秘訣は「相手の気持ちになって考えること」。人の意見を尊重し思いやる心は、会長としての務めの中でも大切にしている。「おごらず、謙虚に。自分の意見は皆の意見を聞いて最後に言わせてもらう。それができなければ人の上には立てない」。店に来る客の話にも、しっかり耳を傾ける。「話し相手になることも仕事。若い人が通ってくれると、自分の子どものように思ってしまう」と微笑む。
○…協会は近年、食中毒予防だけでなく、日常生活が制限されることなく生活できる期間「健康寿命」の延伸にも力を入れる。「鶴見は市内でも健康寿命が低い。野菜を十分に接種できる食事などを呼びかけていきたい」。70歳を超えたら、妻と2人ゆっくり過ごしたいという。「一緒に第二の人生を歩んでいきたい」
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