鶴見美術家協会の代表として区内の文化醸成に尽力する 藤浪 成喜さん 北寺尾在住 78歳
鶴見に文化の絵を描く
○…区内在住や在勤の作家ら12人が名を連ねる鶴見美術家協会。「人数は少ないけど、油から水彩、彫刻まで、個性豊かな面々が揃っている」。18日から22日まで鶴見区民文化センターサルビアホールのギャラリーで行う恒例の展覧会。「鶴見は人口の割に、文化芸術に関心が低い気がする。少しでも根付かせられれば」。鶴見の文化人として、活動に奔走する。
○…専門は油絵。50年以上になるが、美術系大学などは出ていない。「理工学部だった」と笑う。ただ好きだったという絵で生活を立てようと思ったのは、日本に洋画を広めた一人、木下孝則氏との出会いがきっかけだ。「鶴見に住んでいたんですよ。近所で、自宅で絵を教わった」。木下氏らが創立した一水会に入り、個展も何度も開いた。数年前には、横浜美術館に作品が収蔵された。だが、意外にも協会への加入は最近のこと。「3年前、鶴見区文化協会主催の区民文化祭で、個展をやってもらった。その隣で美術家協会も展覧会を開いていてね。誘われたから」
○…年間で40〜50の作品を描く。ほぼ毎日、パレットの絵具が乾かないくらいの間隔で作品に向かう。それでも、創作について「息詰まる瞬間はない」と言い切るほど、絵が好きだ。趣味は健康維持のためという山登り。「最近はあまり高い山は行かないが、だから健康」と快活な笑顔を作る。
○…「メンバーは70代が多い。若い人を入れないとなくなっちゃう」。協会の課題だ。これまで区民文化祭のみだった展覧会を今年7月にも開いた。「展覧会だけじゃなく、ボランティアで絵を教えたりしたい」「プロだから家にたくさん絵がある。美術を身近に感じるように、色々な施設に飾ったり」「美術部の高校生とか、学生も巻き込みたい」――文化醸成のため、試したいアイデアは色とりどり。「鶴見には著名な文化人が多く住んでいたんです」。文化のあるまちになるように、画家は今日も「絵」を描く。
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