崖崩れにより死者が出るなど、相次いだ台風18号の被害を受け、市が先ごろ指定した市内の危険度の高い崖地について、台風19号の影響を再調査した上、修正を進めていることがわかった。19号に備え、区内では獅子ヶ谷周辺など5カ所が指定されていたが、今後増減が見込まれる。
19号に備え選定
危険度の高い崖地は、台風18号の被害を受け、10月10日、市が続く19号に備えリスト化。平均高さ15m、勾配30度以上などの基準を超える市内202カ所が緊急的に指定された。避難勧告についても、従来、住民からの通報をもとに発令していたが、県などから土砂災害警戒情報の発表があった場合、自動的に発令する体制に変更していた。区内では北寺尾3丁目、獅子ヶ谷2丁目・3丁目のがけ地が入っていた。区内対象世帯は76世帯だった。
対象外でも注意
13日から14日にかけて、関東地方を縦断した19号をめぐって鶴見区は、がけ地のリスト化後、対象となる全世帯に案内を配布、広報車を使い、指定カ所付近に情報発信するなど対応に追われた。
結果的に区内で19号の被害はなかったが、13日午後5時ごろ、大雨警報が出るとほぼ同時に、獅子ヶ谷小など2カ所で避難所を開設。1世帯2人が避難したという。
区危機管理担当の川島正裕係長は「リスト化のおかげで事前に準備できたのは良かった」と評価する一方、18号ではリスト外の4カ所でがけ崩れが起こったこともあり、「リストに入らなかったとしても安心というわけではない。指定カ所以外も十分注意が必要」との見解を示した。
また、対象地域のある獅子ヶ谷自治会の岸本進会長は「避難する基準が明確になったのはいい」と話した。同自治会では、今回の台風の状況を受け、今後、風水害の備えも強化していくという。
新リスト発表は未定
市は、「避難勧告の体制は当面の間、今回のままにする」とする一方、がけ地については「19号の影響を調査し、現在修正中」と説明。「発表時期などは現時点では答えられない」としている。
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