鶴見区は1月9日、累計販売部数1千万部を超える人気旅行ガイド『ことりっぷ』((株)昭文社)と協力した区内の観光案内冊子『ことりっぷ横浜鶴見』の無料配布を開始した。市内全体で観光客数が増加する中、一昨年の市集計で鶴見周辺は減少しており、区は「冊子が起爆剤になれば」と期待をかける。
『ことりっぷ』は、08年の創刊以来、20代から30代女性を中心に人気を博し、昨年累計販売部数1千万部を突破した旅行ガイド。今回の無料冊子は、「千客万来つるみ」と題したプロモーション事業を展開し、区内への誘客に取り組む区が、同社に制作協力を依頼し実現した。
『ことりっぷ』と行政が協力した無料冊子は、千葉県の流山市や成田市などでも制作されているが、県内では初めて。制作費は約280万円で、区は「千客万来事業は、これまで単発のイベントなどがほとんどだった。継続性のあるものをと考えた」と、冊子制作の経緯を話す。
冊子はA5変型判の小型サイズで、フルカラー16ページ。掲載内容は、昨年8月の広報ヨコハマ鶴見区版で実施した区内お勧め店舗などの区民アンケート結果と、昭文社の編集スタッフが実際に歩いて取材したものなどを踏まえて選んだ。区内の散歩コースや、ブラジル、沖縄といった鶴見らしい多文化料理店、カフェや土産品などが写真付きで紹介されている。
発行数は2万部で、市内の観光案内所や18区役所、市庁舎内にある市民情報センターなどで配布。東京駅直結の観光案内所「東京シティアイ」にも置かれているほか、みなとみらい周辺の宿泊施設などにも設置依頼を行っているという。
地域経済活性へ
市が昨年4月に発表した2013年の観光動態調査では、市全体が過去最高の3134万人(宿泊・日帰り総数・前年比約26・3%増)となるなど、各地区で増加した一方、鶴見周辺は104万人(同・前年比約1%減)と僅かながらだが減少に転じた。
こうした結果を踏まえ、区担当者は「ことりっぷのブランド力を借りて、誘客から地域経済活性へつながれば」と期待をこめる。今後は状況に応じて増刷も検討しており、区民に向けても「中には知らない店もあるはず。冊子を手に取って、新たな鶴見を知ってもらいたい」と活用を呼びかけている。
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