市民主体の整備提案に横浜市が助成する「ヨコハマ市民まち普請事業」でこのほど、地域住民らからなる団体「矢向・江ヶ崎歴史資料室を作る会」の提案が選考を通過した。歴史資料の常設展示を備えた交流施設が建設される予定で、2016年4月の開館をめざし、今春に着工する。
歴史資料展示も
交流施設は、新鶴見小学校そばの敷地に設置される。同校の用地の一部で、矢向・江ヶ崎のほぼ中央にあたる。かつては新鶴見操車場があった場所だ。
総面積は35・89平方メートルの平屋建て。縁台や授乳スペースがある多世代の交流スペースを主体とし、農具などの歴史資料を常設展示するコーナーなども設ける。
住民らが企画
交流施設は、鈴木憲三矢向地区連合町内会会長らが発起人となり、地域の施設・団体などが協力して計画が進められてきた。
きっかけは、個人のコレクションとして地域に残っていた古い農具や生活用品などの歴史資料だった。地元住民らが企画する街歩きの中で子どもたちに公開したところ、人気を呼んだ。
発起人の一人・黒川治宣江ヶ崎町内会会長は、「子ども達はとても興味深く見学していて、このままではもったいない。広く地域に見てもらいたいという声が上がった」と話す。
地域一丸で
実現に向け、横浜市が市民のまちづくり提案を助成する取り組み「ヨコハマ市民まち普請事業」に計画を提案。当初の計画は歴史資料展示がメーンだったが、審査コンテストでの指摘を受け、交流スペースを主体に置いた。「展示だけでは忘れられてしまう。地域の人が気楽に集まり、自由に使える場所にしようと方針を転換した」と住民らは振り返る。
住民をはじめ、周辺小学校・保育園などの協力もあり、最終審査の結果、助成事業に認定された。この4月には、1年後の開館を目ざし工事が始まる予定だ。
住民らは、地元のさまざまな賛同を得て地域力の高まりを感じている。「これからが正念場。さらに計画を精査して、みんなの交流の場を、みんなで作っていきたい」と、よりよい施設となるよう意気込んでいる。
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