地震などの発生時に区の災害対策本部となる鶴見区役所で3月11日、被害想定などを伏せた状況で実践的な行動を確認するブラインド訓練が行われた。大地震発生を想定した訓練では、矢継ぎ早にくる情報が錯そうする場面があるなど、発災時に重要となる情報の取り扱いで課題が浮き彫りとなった。訓練を企画した区危機管理担当者は「今後に生かし、対策を検討していきたい」と意識を高める。
市の計画をもとに作成された鶴見区防災計画によると、区災害対策本部は、市内で震度5以上の地震が発生した場合などに設置されるもの。本部を運営する庶務班、区民や庁舎内の情報収集と伝達を行う情報班など、役割ごとに14班が置かれ、職員が対応にあたる。
東日本大震災では、未曾有の災害に情報が錯そうし、公助が行き届くまでに時間がかかった市町村も少なくなかった。そうした経験を踏まえ、今回、区危機管理担当がブラインド訓練を企画。本部長となる区長をはじめ、すべての職員に実施内容を知らせずに行うのは昨年9月に続き2回目となった。
一時間もたず混乱
当日は、市内で最も被害が大きいとされる元禄型関東地震(市内震度5強〜7)を想定し、実際に起こりえる状況を情報として流し、対応決定から指示伝達までを確認した。情報班のもとには、各班や区民役の職員から、「がけ崩れ発生」「ケガ人の避難先」「拠点で急病」「遺体の取り扱い方法」などに関する情報が次々と入り、整理や指示が追いつかないなど、緊迫した場面が続いた。
参加した職員からは「一時間もたずに混乱する」といった声が上がり、情報収集から整理、指示の流れに課題を残す結果となった。
東日本大震災発生時に、市危機管理推進担当だった区福祉保健センターの大貫義幸担当部長は、「震災のときは毛布一つ配るのに、シミュレーション通りにいかなかった。次はもっと厳しい想定でもいい」と総括。征矢雅和区長は「情報の整理や出し方で工夫できるところがある。改善して次の訓練を」と職員に声をかけた。区危機管理担当は、今回の課題を抽出し、分析した上で継続的に訓練に取り組んでいくとしている。
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