臨海部のある鶴見の防災にとって、津波対策は課題の一つだ。区内の沿岸部は慶長型地震による津波で、最大2m未満まで浸水すると予測されている。
津波避難には、より速く、より高い場所へ逃げることが重要となる。津波で町の一部が最大約1m浸水する可能性がある潮田東部地区の朝日町自治会(640世帯)は、町内のマンションなど8施設と交渉し、独自に一時避難所を設定している。避難所は、町会を9つに分け、各エリアに設置。市の指針に則り、鉄筋コンクリート造などで3階以上の建物を選んだ。住民は津波警報発令の際に避難所へ逃げ、警報解除まで通路や階段、屋上などで待機する。
平坦で高台なく
「海岸という地形に危機感があった」と、山田清同会会長は話す。東日本大震災以降、住民からも不安の声が挙がっていた。同町は、平坦で高台もなく、移動が困難な高齢者のためにも一時避難所が必要だった。
実践には不安も
同町は、避難所を記載したマップやチラシを配布し、避難方法の定着も図っている。さらに、各避難所に対しては、震災時の心配事を聞くアンケートも実施。その結果避難者用のトイレが必要とされていることがわかり、現在簡易トイレなどを各避難所へ設置中だ。
しかしまだ不安は解消されていない。「冬場に建物の通路や階段で長時間過ごす場合の対策も課題。また、避難してきた住民全員を収容できるかも未知数」。
同町は今後も避難訓練やマニュアル作り、講演会などを通じて対策を強化していくという。
同じ住民で助け合いを
一時避避難所を確保する同町の試みは、近隣町会でも検討されているという。「同じ生活圏で生きる人を助ける気持ちがあれば協力し合える」。人を思いやる気持ちと共に、共助の取り組みは広がっていく。
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