地域住民が子どもの預かり手となる仕組み「横浜子育てサポートシステム」で、預かり手が不足している。特に保育園の迎えを代行できる人員が少なく、一部の預かり手に負担がかかるなどのケースが出ている。
子育てサポートシステムは、子育て中の親が有料で子どもを地域住民に預けられるもの。会員登録制で、登録した親(利用会員)と預かり手(提供会員)の双方を事務局がマッチングさせる仕組み。横浜市社会福祉協議会が市から委託を受け、2001年から全区展開されている。
預けられるのは生後57日以上から小学6年生まで。1時間ごと800円〜900円で、保育園や塾などの送迎代行から、親のリフレッシュの時間づくりなどのために利用できる。
2015年6月現在、区内でサポートシステムに登録する親が678人いるのに対し、預かり手は、利用会員と提供会員を兼ねた両方会員を合わせても152人。鶴見区支部事務局は、「実質的な利用数と登録数は異なるため、登録数のみで不足は説明できないが、預かり手の確保は課題」と話す。
保育園利用多く1時間に3人迎えも
区内の利用内容で多いのは保育園の迎えの依頼。14年度の利用内容の中でも保育所・幼稚園への迎えに関する内容が多い。利用時間を見ても、料金は1時間ごとにもかかわらず、1時間未満の利用者が最も多く、その多くが迎えを依頼しているという。
一方で、区内で活動する預かり手の多くは、40代から50代の主婦だ。親が迎えを希望する時間帯は、預かる主婦もちょうど家事などで忙しい時間帯のため、人手が不足する。
そのため、限られた人に負担がかかるケースが出ている。預かり手として活動している一人・藤代真由美さんは、「1時間に3人のお迎えに行くこともあった」と振り返る。
また、預かり手が地域に偏在しているため、人手不足で遠方にいる預かり手を依頼すると、交通費の負担が大きくなり、マッチングが成立しないこともあるという。「サービス業で働く親は日曜日も預けたいというニーズもあるが、現状では要望に応えにくい」と事務局は話す。
短時間でも協力を
親類が近くにいない環境の上、働きながら子育てをする親が多くなる中で、サポートシステムは地域ぐるみの子育てを担っていると、事務局は分析する。「特別な資格はいらず、短時間からでも気軽にできることをアピールしていく。特に少ない地域に対してはキャンペーンなども検討したい」
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