年間延べ3万人が利用する横浜市鶴見川漕艇場=元宮=が、6月下旬から乗艇利用を停止している。ボートの発着時に必要なフロート「台船」に腐食が見つかり利用できなくなったためだ。乗艇利用の再開時期は未定。愛好家の間では、他施設の中でもアクセスが良く、艇のレンタルもできる貴重な場所とされていたことから、早期の再開が望まれている。
鶴見川漕艇場は、市が1988年に開設。鶴見川沿いの艇庫には、貸与用のボートやカヌー46艇が並ぶ。
利用者は年間延べ3万人。学生時代に漕艇経験のあるシニア層から、子どもまで幅広い世代が訪れている。郊外にある他施設よりもアクセスが良く、ボートを貸し出す施設も珍しいため、千葉や埼玉など県外からの利用者もいるという。
水中、発見難しく
乗船利用を停止した原因は、「台船」を支える柱に腐食が見つかったため。台船は、艇の乗り降りに利用するため川に浮かべるアルミ製のフロート。川に垂直に立てた4本の柱によって、風や増水などで流されるのを防いでいた。
今年3月、漕艇場職員が柱の1本が腐食し不安定になっているのを偶然発見。その後、残りの3本も歪んでいる可能性があることがわかり、安全確保のため利用を中止した。
台船は、漕艇場オープン時から設置。柱は2000年に腐食部分の交換が行われていたが、以来修理されていなかった。
点検は定期的に実施されていたが、柱の腐食部分はほぼ常に水中にある。大潮の際に、水位が下がらないと目視で発見することは難しいという。
活動休止団体も
現在漕艇場は、トレーニング用のマシンや会議室、艇庫の利用ができるのみ。今後は、市が台船の状況を調査し、修理方法などについて検討する予定だが、具体的な日程は未定。市は、「調査には潜水が必要になる可能性がある。鶴見川は1級河川で国との調整も必要で、見通しが立たない」と話す。利用再開後の点検方法については、「5年ごとにやるかなど、検討していきたい」としている。
漕艇場を拠点にボート教室などを開いてきたNPO法人横浜市ボート協会は、「活動できず困っている。予定していたイベントも中止になってしまった」と嘆く。また、練習ができなくなってしまった高校ボート部もあるという。漕艇場の内山松男主事は、「愛好者の社交場でもある。早く工程を知らせ、修理に着手したい」と話している。
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