生麦事件碑顕彰会会長を務める 八木下 勝之さん 生麦在住 70歳
生麦の歴史と活気を守る
○…幕末時代の外交関係が大きく転換する契機となった生麦事件。当時犠牲となった英国人の追悼式を開く顕彰会の会長に今春から就任した。最近では地元以外の人も追悼式に参加しており、事件発生から150年以上経った今でも関心は高い。「小さな町の事件が日本の歴史に大きな影響を与えたことはすごい。先輩方が受け継いできてくれた歴史を代々伝える責任を果たしていきたい」
○…生まれも育ちも生麦。鶴見川や東寺尾の雑木林で元気に遊ぶ子ども時代を送った。「鶴見川は車海老がいたぐらい綺麗だった。雑木林には夏、カブトムシを取りに行ってね」と懐かしむ。父が創業した会社を継ぎ、地元でプラスチック製品の成型などを手掛け、約1年半前に引退。顕彰会会長のほか、住宅地町内会会長も務め、地域への奉仕を続けている。会長職は「柄じゃないのだけど」と苦笑いするが、暖かい仲間たちに囲まれ、充実した日々だ。「昔から顔を見知った人たち。皆、安全で快適な街を作っていきたいという願いがあるから協力的。すぐに集まって酒を飲み交わせるしね」
○…楽しみはカラオケ。月に4回ほどはマイクを持ち、石原裕次郎などの演歌を歌う。「ストレス発散になって楽しい」。孫たちと休日を過ごすことも。「一緒にプールに行ったら肩を痛めちゃった」と孫の笑顔のためにがんばる「おじいちゃん」でもある。
○…「生麦事件をできるだけ多くの人に知ってもらえたら」。中学校へ生麦事件や蛇も蚊も祭りなどの歴史を紹介する講演会に協力することもある。「子どもたちが学べる機会をさらに広げていけたら」。地域全体をさらに盛り上げようと、若い父親世代を呼び込むことにも意欲的だ。「行事などの担い手は高齢化している。地域に関心がある人を発掘して、おやじの会のような団体を作り活気づけたい」。故郷の歴史と活気を守っていく。
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