北寺尾や獅子ケ谷、東寺尾などを管轄する鶴見消防団第八分団(星野敏彦分団長/団員数101人)が主体となり、地域住民らと連携した災害対応訓練が、3月21日に行われた。管轄内9カ所で、火災が同時発生したことを想定。関係者は「訓練はもちろん、顔の見える交流ができた」と充実感を漂わせた。
訓練は、第八分団がこれまで行っていた図上訓練を実写化したもの。昨年に続き2回目となる。今回は団員58人をはじめ、地域住民や寺尾地区センター職員など、約160人が参加した。鶴見消防署によると、消防団が中心となって行う訓練としては、市内でも最大級の規模だという。
住民らとの連携も
当日の発災想定のシナリオは、寺尾消防出張所が考案。団員には明かさないブラインド状態とし、情報収集から分団本部へ報告、指示伝達といった有事の際の対応力などを確認した。
想定場所となったのは、北寺尾の町の原っぱや馬場の厚生団地、グループホームここすこ鶴見など9カ所。本部からの指示を受け、現場では消防団と地域住民が連携した消火活動や、団員による資機材を使った救助訓練があった。応急救護所となった寺尾地区センターでは、重症度によって治療の優先度を選別するトリアージ訓練も実施された。
「町会などの協力のおかげで充実した訓練になった。場面ごとの資機材の選択などに課題はあったが、概ね対応できた」と星野分団長。見学した鶴見消防署の齋藤俊彦署長は「消防団に対する地域の期待と信頼がうかがえた。地域密着の防災体制を築く上で、今回の訓練は好例となる」と講評した。
第五分団は資機材訓練
鶴見駅東西周辺を担当する第五分団(佐藤邦雄分団長/団員数39人)は、15日と20日の2日間、末吉消防出張所で資機材を活用した救助訓練を行った。
阪神淡路大震災では、約8割が圧死だったが、多くは家具などの下敷きになっての窒息が要因だった。当日、講師を務めた小林栄治所長は「猶予は15分。公設消防隊は優先度が高い大規模な現場に行くため、最初に地域を回れるのは消防団」と説明。団員はバール、油圧式ジャッキなどを使い、模擬屋根に挟まれた人形の救助訓練を繰り返した。佐藤分団長は「応用して今後の訓練に生かす」と話した。
※消防団=住民らが本業を持ちながら、火災や災害発生時に消火・救助活動などを行う市町村の消防機関
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