鶴見区版 掲載号:2016年5月26日号 エリアトップへ

「平成の大改修」を終えた日枝神社の宮司を務める 萩原 諄夫(あつお)さん 矢向在住 77歳

掲載号:2016年5月26日号

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矢向の拠り所を守る

 ○…宮司として伝統を守ってきた日枝神社が、170年ぶりの大改修を終えた。5月29日には、お披露目として竣工奉祝祭を行う。神社の周囲に田んぼや畑が広がっていたころは、社殿の屋根もわらぶきだった。わらぶきは瓦へと変わり、改修を終えた今は銅板となった。「街の発展にあわせて、神社も栄えてきた。改修は地域の協力があってこそ」。地域へ感謝しつつ、街とともに歩んできた歴史に、思いをはせる。

 ○…神職の一族に生まれ、「お宮の子」として矢向で育った。40代で先代から宮司を受け継ぐ前は、大学の資料室などに勤務していた。日枝神社に郷神楽が伝わっていた影響もあり、古典芸能に関心を持ち、様々な芸術資料に触れられる職を選んだ。「各地でいろいろな芸能が息づいている面白さがある」。宮司の仕事の原動力は、地域への思い。古くから神社は人々が相談事をしたり、政治を行う場所でもあった。「これからも拠り所として、街の活性化の役に立ちたい」

 ○…宮司の務めには基本的に休みはないという。「朝から夜まで神社のことを考えている」。伝統芸能・郷神楽は自身が講師となり、週1回指導。習得の難しさもあり、年々メンバーは減っているが、「何とか後世に伝えていきたい」と使命感をにじませる。若い頃から続けている古典芸能の研究は、ライフワーク。資料収集のために、国立国会図書館などへ足を運んだり、特に関心のある能や神楽は、実際に習いに行くこともある。「何年勉強しても知りたいことは尽きない。研究の成果はいつか本にまとめたい」と夢を語る。

 ○…この5月に喜寿を迎えたが、まだ現役を終えるつもりはない。「せっかく神社で育ったのだから、やれる限り最後まで宮司を務め上げたい。地域の人が癒される、楽しい行事をやっていけたら」。「街のためになることを」という一心で、「矢向の拠り所」を守り続けていく。

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