病気の療養者らが、緊急時などにどの機関でも医療を円滑に受けられるように、鶴見区医師会はこのほど、病歴や投薬状況などをまとめた通院用の連携ノートを作成した。8月から同会会員の医療機関に設置され、希望者や医師が必要と判断した患者に配られる。
連携ノートは、4年前、区医師会在宅部門を中心に区内医療・介護事業者などからなる団体「つるみ在宅ケアネットワーク」が、在宅ケアの利用者向けに作成していたもの。
利用者の主治医となるかかりつけ医が、病歴や薬の種類などを書き込むほか、緊急時の連絡先や、死亡時の本人希望を記す「リビング・ウィル」などの書類を添付。緊急搬送の際や災害時、主治医に連絡がつかなくてもノートを見ることで適切な治療を受けることを可能とするものだ。
在宅用は設置から4年間で、約1700冊が利用されているという。
患者の声で実現
同団体らは今回、連携ノートの存在を知った通院中の療養者から、「使いたい」という声が上がったことを受け、改訂を検討。取り扱う医師からも、「通院患者にも配布できれば」という要望があり、実現した。
改訂には、通院患者の場合、特に病状など掲載内容を更新する際、医療機関に持参しなくてはならないことを考慮し、これまでのB4大のものをA5サイズに縮小した。
作成に携わった区医師会在宅部門総括責任者の栗原美穂子さん=人物風土記で紹介=は、「いざというとき、往診医に連絡することを理解している在宅利用者に比べ、通院患者の方が救急車を呼ぶ確率は高い」と説明。在宅同様に、通院療養者にも大きなメリットがあるとする。
内容変わらず
縮小した分は添付書類を二つ折りにするなど工夫し、内容は在宅用と同様のものを盛り込んだ。
8月から会員に配られ、届いた医療機関から順に患者らに無料で提供される。原則、希望者には渡されるという。「どこの病院に行ってもある、(ノートを)当たり前のようにしたい。区外にも広がっていけば」と栗原さんは話している。
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