「右足を横に2回、前に2回…ごめんなさい、間違えちゃった」。介護事業所で行われた脳と身体機能向上などを目的にしたトレーニングの一場面。教えるトレーナーが動きを間違え、利用者から笑いが起こる。
このトレーニングは、従来「大変」というイメージのある機能回復トレーニングを払しょくしようと、笑いと楽しさを中心としエンターテイメント型プログラム「エンタメ体操」。小売業大手イオングループのイオンカルチャークラブと提携し、9月から十日市場店=緑区=で、講座も始まるなど、広がりを見せている。
専門技術を結集
考案したのは、区内で介護事業所を運営する(株)くらすの倉澤篤史さん=人物風土記で紹介。介護現場に約20年携わる倉澤さんは、つまらなそうにトレーニングをする利用者を多く見てきたという。
そんな経験から、「だったら面白くすればいい」と、楽しく笑うをテーマにした体操の開発に着手。同じ思いを持った医療関係者やスポーツトレーナー、介護福祉士などの専門家とともに、この体操を作り上げた。
講師募り草の根普及へ
超高齢化社会を迎え、膨らみ続ける社会保障給付費の中でも、高齢者給付費は約7割を占める。年間10万人といわれる介護離職も、現代社会にとって大きな課題だ。
「このままじゃ未来の子どもたちにバトンタッチできない」と倉澤さん。草の根的に普及しようと、広めるための講師はライセンス制にし、現在募集中だ。
笑いを誘う工夫のつまったエンタメ体操。倉澤さんは、「2年間検証した結果、要介護が外れた人もいた。楽しく広めていきたい」と話している。
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