鶴見区内の救急出場が急増中だ。2016年1年間の出場件数は前年から957件増加し、過去10年の中で最も大きな伸びを記録。17年(1月1日〜2月27日)もすでに283件増加しており、ハイペースを継続。鶴見消防署は、転院搬送や乳幼児の搬送が他区に比べ多い特徴などに合わせ、効果的な対策を検討していきたいとする。(件数は速報値)
昨年1年間の救急出場件数は1万4415件で、前年から957件増加。増加件数は、市内18区中最多で、17年も急増傾向が続く。急増により現場到着が遅れるなどの影響もあり、対策は急務となっている。
急増の一因について同署は、容態が急変するまで治療をしない人が多いことなどを挙げる。また、さらに要因を特定するため、同署では16年の出場件数を種別や地域別、年代別などにして分析した。
種別では、急病が最も多い6割。他地域に比べ、交通事故や転院搬送などによる救急出場が多い。中でも転院搬送は、診療所などからさらに高度な治療を受ける際などに必要になるが、遠方の病院へ搬送するケースもあり、抑制が課題となっている。「病院自前の救急車を活用してもらいたいが、人手不足で稼働できない場合もある。民間救急の利用を要請するなどして減少につなげたい」と同署は話す。
年齢別では、市内全体平均に比べ、乳幼児の出場件数の割合が高く、特に尻手や矢向などで件数が多かった。「子どもの多い地域には、かかりつけ医を持つことを勧めたい。地域の特性に合わせ広報したい」と同署は話している。
「119番の前に」児童啓発
救急出場急増を受け、同署は鶴見小学校の児童と協力し、早めの医療機関の受診などを勧めるアナウンスを、JR鶴見駅のコンコースで放送している。
同署では、昨夏にも同校6年児童に依頼し、熱中症予防を呼びかけるアナウンスを実施した。今回は同校5年生有志6人が協力。具合が悪い時には救急車を呼ぶまで我慢をせず医療機関へかかることや、病院に行くか、救急車を呼ぶか迷った時に相談できる横浜市救急相談センターの電話番号を呼びかけている。
同署は、「アナウンスは練習を重ね吹き込んでもらった。子どもたちの呼びかける声が件数減少につながれば」と期待を寄せている。放送は3月31日までの午前7時から午後4時(7時から9時は放送可能な時間)に実施される。
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