鶴見区版 掲載号:2017年11月9日号
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鶴見区食品衛生協会の会長として活躍する 倉下 至弘(よしひろ)さん 鶴見中央在住 71歳

伝統守る努力人

 ○…鶴見区食品衛生協会の会長に就き4年、このほど厚生労働大臣表彰を受賞した。「一生懸命やってきた対価だと思う」。流行病の注意を促す講座を年に1度開き、保健所と連携した細菌検査などの巡回指導で地域を回る。最盛期は千人ほどいた組合員が現在は400人ほど。「跡継ぎがいなかったり、チェーン店に圧されて畳んでしまう店が多い。厳しい中でどうやっていくか模索しなければ」

 〇…生まれも育ちも鶴見。現在の鶴見小である芦穂崎小、寺尾中、法政二高、法政大学と進学。昭和14年から続く「巴屋」は父親が始めた。父親は「飲んだくれだった」と笑うが、店を継ぐはずだった兄を若くして亡くし「自分がやらなければ」と奮起。23歳から店の手伝いを始めた。母親に料理の技術を教わりながら、調理師学校に1年間通い本格的に技術を取得。おでんとやきとりが美味しい昔ながらの店の伝統を今に受け継ぐ。 

 〇…姉の影響で高校生からフェンシング部に入る。「練習は厳しく、地獄の始まりだった」と話すが、その実力は本物。3年時のインターハイでは優勝し、22歳の時にメキシコオリンピックの最終候補選手まで残ったこともある。大学を卒業してからも国体に出場し続け、10年選手の勲章を持つ。現在は法政大学フェンシングクラブOB会の副会長。「続けて努力することが大事。何か見えてくるものがある」

 〇…巴屋の知る人ぞ知る名物は常連客の要望に応え、倉下さんが発案した「巴サラダ」。身近な声を聞いてメニューを考案するのは個人店ならでは。「新しい店の人たちにも組合に入ってほしい。横のつながりで困った時に助け合える」。「塩が少なくなった時期には組合員何人かで海水から塩を取ろうと海に通った」という父親の話が忘れられない。そんなつながりを復活させたい。店を守るため、食の安全のため地道に歩みを進めていく。

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