鶴見区版 掲載号:2017年11月30日号
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その道50年の職人大工として活躍する 瀬沼 公夫さん 東寺尾在住 67歳

我が道をゆく職人

 ○…馬場の赤門祭りで披露された総欅神輿を5年かけて作った。「春にこの話をもらった時はまだ見せられる状態になるか、半信半疑だった」。普段は市内の新築現場で大工として働きながら、合間の時間に制作を進めた。神輿は飾りを付けようと思えばいくらでも派手にできるというが、造った神輿は非常にシンプル。良い木を使って木肌を見せる白木造りに、開きの狭い鳥居。様々な所にこだわりが見える。「真似はしなくていい。誰がどう思おうと関係ない。自分が格好いいと思ったものを作るだけ」

 〇…生まれも育ちも鶴見。子どもの頃から手先が器用で、出身校の寺尾小では授業で作った作品が卒業後も飾られていたという。自分で壊した家の障子を自分で直したことがきっかけで大工の道を目指す。15歳の時に父の出身地だった川越の工務店に4年間住み込み、修業を積んだ。上下関係が厳しい職人の世界。厳しい兄弟子たちに負けないという思いで努力を重ね、2年目には1軒家を建てた。2級建築士を取得した後、母の意向で鶴見に戻り、様々な工務店で経験を積んだ後、独立した。

 〇…息抜きは神輿作りだという根っからの職人。総欅神輿を作ろうと思ったきっかけは幼い頃に見た潮田地区の祭り。大人神輿の活気と迫力、雄大さに心を打たれた。当時の写真が残っており、その一枚を元に独学で制作を進めた。愛着のある総欅神輿は「ネットに出せばすぐに売れると思うが、それはしたくない」という。「地元の若い人に同じ気持ちを感じてもらって、担いでもらうのが夢。地域のつながりを深めたい」

 〇…娘と息子を持ち、3人の孫に恵まれた。妻は4年前に先立った。「その寂しさもあったかもしれない。神輿作りに没頭していると忘れられた」。息子は2代目として活躍中。「難しいことは俺が、力仕事は息子がやれば怖いものなし」。家族の絆は強い。職人の思いは受け継がれていく。

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