ひでしの「実績で勝負」 28 県政報告 生麦事件を観光資源に歴史シンポジウムが実現 公明党 鈴木 ひでし
「生麦事件」――薩摩藩・島津久光の行列に立ち入った4人のイギリス人を藩士が殺傷したというこの事件は、その後、薩英戦争から明治維新につながる事件として、歴史に名を刻んでおります。
尊い人命が失われたことについては胸が痛みますが、誰しもが知っている史実が地元の鶴見で起こったこと、また、追悼するための事件碑を地元の皆様がしっかりと守り続けていることなど、歴史的な背景や現状を知れば知るほど、日本の近代化の発端となった生麦事件にもっとスポットライトをあてたいと常々考えておりました。
2年前に提言
今年は、明治維新から150年周年を迎える記念すべき年です。私はこれを機会ととらえ、2年前の県議会定例会で、「本県は歴史的な財産に恵まれているが、観光資源として十分に活かしきれていない」と指摘。その一例として生麦事件を挙げ、「この周年期を機に、県としてもイベントを開催するなど、もっと生麦事件を歴史的な観光資源として活かし、観光振興を図るべき」と、黒岩祐治知事に提言しました。
「重要な視点」と私の考えに賛同した知事は「事件にゆかりのある鹿児島県や横浜市とも協議し、活用を積極的に検討する」と答弁。折しも、NHKの大河ドラマで、日本の開国に深く関わった西郷隆盛が主人公となる『西郷どん』の放映が始まる中、1月27日に明治維新150周年を記念した県主催の歴史観光シンポジウムが実現しました。
当日は、生麦事件にスポットをあて、西郷隆盛の子孫である西郷隆夫氏と鹿児島県の三反園訓知事が出席し、事件に関する詳細なパネル展も企画されました。
歴史をテーマとした観光や旅行などに詳しい旅行会社顧問の黒田尚嗣氏と基調対談を行った西郷氏は、「生麦事件をきっかけとして起こった薩英戦争が、討幕に拍車をかけたこと」「西郷隆盛の当時の動向と思想」といった話を聞かせてくれました。事件発生時は沖永良部島に投獄されていたというエピソードには驚かされました。
生麦の方々と参加した私も、改めて生麦事件の歴史的重要性を再認識し、いろいろな意味で鶴見活性化のための資源となると感じた次第です。
誇れる地元鶴見に
県は昨年11月に発行した県内の歴史的ガイドブック「かながわ歴旅」の中でも生麦周辺のルートを紹介。生麦事件のほか、キリンビール横浜工場など、地域の魅力を掲載しています。
ある会合で「鶴見には観光客が訪れるような名所が少ない」という声を耳にしていたこともあり、地域の資源を考えていたことから今回の提言、実現につながりました。
シンポジウム当日、控え室で西郷氏と意見を交換させて頂く機会もあり、「生麦事件が明治維新に果たした役割などをもっとアピールし、両県の交流や観光振興につなげていきたい」と強く思いました。
この地域に眠る貴重な資源をしっかりと磨き上げ、地元鶴見が全国に、また世界にまで誇れるものになるよう、私もアイデアを練りながら、県の活動を支援していきます。
今後もご意見、ご要望、お気軽にお寄せください。実現に向け、全力で取り組んでまいります。
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