鶴見神社に伝わる伝統民俗芸能「鶴見の田祭り」の演者を務める遠藤一郎さんと辻積(みつる)さんが、このほど神奈川県民俗芸能保存協会から功績が認められ、表彰を受けた。2人は「先人も含めた皆のおかげ」と謝意を示し、次世代育成など今後の活躍を誓う。
県民俗芸能保存協会は、各地域に伝わる民俗芸能の保護や普及、次世代への継承などを目的に1969年に発足。主に神奈川県内の300を超す民俗芸能団体などが所属している。
表彰は、民俗芸能の振興・発展に尽力した人たちを称えるもので、例年実施されている。今年は、11人が受賞した。
昨年ポーラ賞を受賞
「鶴見の田祭り」は、一年の稲作の所作を神壽歌という節に合わせ演じ、豊作と子孫繁栄を願う神事。鶴見神社には、鎌倉時代に伝わったとされる。
明治初期に国の命令で一度途絶したが、金子元重宮司や鶴見歴史の会らにより87年に復活。今年で再興31回目を迎えた。昨年には、伝統文化ポーラ賞の地域賞を受賞。横浜市登録の地域無形民俗文化財にも選ばれている。
関わった全員の代表
田祭りでは、遠藤さんが所作の指示を出す「作大将」、辻さんが作大将から指示を受けて稲人をまとめる「稲人頭」と、いずれも中心となる役柄を演じている。
受賞は自身の役だけでなく、遠藤さんは演者全体の取りまとめや後継者育成、辻さんは使用される小道具の製作・改良なども評価された。
再興当初から関わり、現役演者では最も歴の長い遠藤さんは、「演者だけでなく、これまで関わった全ての人を代表してもらった賞」とし、継続してきた証として喜ぶ。辻さんは、「先輩たちの努力を汚さないようにという使命感がある。継続できるように育成にも努めていきたい」と話した。
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