鶴見区版 掲載号:2018年7月19日号
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「まさか自分が」「心身辛い」 金融機関、被害者らに聞く

社会

「最後の砦に」と横浜銀行鶴見支店の2人
「最後の砦に」と横浜銀行鶴見支店の2人
全てはお客様のため

 区内各金融機関などでは防止策を徹底している。横浜銀行鶴見支店でも、高額の引き出しの際は使用目的を聞き、裏付けのできる請求書などの提出を求めているという。

 「目的にまで踏み込むのは正直、心苦しい」と語るのは同支店窓口担当の青島さん。犯人の言葉を信じ込んでいるため、怒鳴られることもあるというが、「お客様の預金を守るため」とする。

 「リフォーム代で3百万円が必要」。今年2月に来店した70代の高齢女性。対応した麻生さんは「焦っていて様子がおかしかった」と振り返る。

 警察に連絡し、家族への確認等を促したが、全く信じず、説得に1時間以上かかったという。

 週に1回は警察を呼ぶケースがあるが、本当に詐欺なのは一部。それでも声をかけるのは、”最後の砦”という意識があるから。日々、水際で見えざる犯人と戦う。

一瞬の隙で被害寸前

 電話は留守電。不審な番号はインターネットで検索――そんな用心深さでも、一瞬の隙で騙されそうになることもある。

 「消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」。Sさんのもとにハガキが届いたのは、最終期日と書かれた日付の前日。心当たりはない。「なぜ?誰が?」。素朴な疑問で問合せ先に電話した。

 「『取り下げないと財産を差し押え』と煽るように言われた」。取られたら困る、知られたら恥ずかしい――色々な思いが巡りパニックになった。

 犯人の言う通り弁護士を依頼して電話を切った後で、身に覚えのないことに違和感を持ったというSさん。「恥ずかしくてもいい」と知人に相談。警察を訪れるよう言われ、詐欺だと発覚した。

 「まさか自分が」。気をつけていても、寸前までいってしまう巧妙さ。「手口を広めて、拡散していくのも重要」と、実体験を周囲に話している。

息子思い、被害960万円

 大切な息子を思うがあまり、960万円もの大金を失った人もいる。

 一人暮らしだったKさん(83・女性)。劇場型と呼ばれる典型的なオレオレ詐欺に遭った。「受話器を取り一瞬の間、思わず息子の名前を」。それが始まりだった。

 会社の大事な書類を無くしたなどと話し、社長役にも代わった。次々と語られる不安な状況に、「親として息子を守らなければ」――そんな気持ちにさせられていた。

 翌日、一緒にお金の工面に回っているという男が自宅を訪問してきた。亡くなった夫が、何かあったときのためにと用意していたお金。息子の一大事と差し出した。犯人は言葉巧みにキャッシュカードも受取り、暗証番号も聞き出していた。

 詐欺と判明したのは翌々日。まだ騙せると踏んだ犯人が、郵便局で2百万円の引き出しを指示。不審に思った郵便局が、近隣に住む妹、警察を呼び発覚。だが、本当の息子に連絡しても初めは信じず、二度目の電話で納得したのだという。

 以前から気を付けるように言われ、老人会などで警察の防犯講話を耳にしていたというKさん。一件以来、通帳や印鑑を管理され、張り合いがなくなり不眠にもなった。「今は戻してもらったけど、心身ともに弱くなった」と背中を丸める。

 本人はもちろん、周囲もショックを受ける詐欺被害。家族ごとに対策を練ることも重要と言える。

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