ホースセラピーを広めるため奔走する 熊木 佳子さん 東寺尾在住 35歳
来年の今日は、きっと笑っている
○…乗馬などを通じた障害者のためのリハビリテーションの一つ、「ホースセラピー」。近隣での実施が少ないことから発案し、個人として主催。25日に、定期開催に向けた第1回目を開く。「私は何もしていない。町会の人や社協、ケアプラの皆さんとか、賛同してくれた人たちのおかげ」
○…早産で540グラムと560グラムだった。超低体重出生児の双子。「無理だ。育てられない」。集中治療室の中の我が子。置いて帰ろうと思ったこともあった。転機は出産から約1カ月後。一人が手術で別の病院に入院したときだった。看護師に無理やり触らされた小さな身体。「初めて触ったら温もりがあって」。すぐにもう一人のところに戻り触れたくなった。なぞった足の裏。柔らかく、温かかった。「産んでから初めて涙が出た」
○…夫と二人の子どもの4人家族。以前は「他人はどうでもいいタイプ」「一生遊んで暮らしたいと思ってたくらい。中身なんて何もない」。自虐的に分析する。「唯一の長所はハートの強さ」。泣くときも、落ち込むときももちろんあるが、「最後は笑えるから大丈夫」。そんな強さを持つ。「要はモチベーション。楽しい人生が良い」。止まらず出かけたり、ママ友と話すことが発散法だ。
○…小児脳性まひで肢体不自由な2人の子は8歳になる。親になり、一期一会でも受ける優しさがあることを知った。イベント一つでも、他人のために一生懸命やってくれる人がいるとわかった。自分も何か返したい。そんな思いも含めたホースセラピーの企画。通う御殿場のファームで楽しそうにする子どもの姿を見てきた。「障害者はできない」は当たり前じゃない。「主催なんて想像もしてなかったですけど」。最初と最後は我が子のために――親子ともに成長中だ。
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