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東寺尾図書館 みんなで育て70年 これからも地域の拠点に 

社会

掲載号:2019年7月11日号

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70周年を迎えた私設の東寺尾図書館
70周年を迎えた私設の東寺尾図書館

 終戦後の動乱期、「子どもたちのために」と地域住民の手で開設された東寺尾図書館が、今年で70周年を迎える。市内でも珍しい私設図書館で、6日には祝う会が開かれ、関係者らが節目の喜びを分かち合った。

 東寺尾図書館は、「中部子供図書館」という名称で、終戦から4年後の1949年8月1日に創立。東台小学校PTAの校外活動として、周辺児童・生徒を対象とした。場所は、有志住民が提供した物置小屋。家庭から持ち寄った40冊でのスタートだった。

 当時、連合国の占領下にあった日本。民主化を進めたいGHQは図書館設置を推進していた。

 一方で保護者らも、子どもの居場所づくりを模索していた。教室や教師が不足し、二部制で行われていた授業。戦後の荒廃で文化的なものが乏しく、子どもたちのために学習補助や仲間づくりの場を欲していたという。

住民による住民の施設

 活動が軌道に乗り、52年には現在の場所に新館を建設。がけ地の造成、寄付を募る建設運動など、すべて住民らが主体となった。130坪の敷地に45坪の図書館。地域の汗と思いが、形となった瞬間だった。

 活動内容は多岐にわたり、本の貸し出しはもちろん、子どもから大人まで、みんなに地域の拠点として活用された。

 小学生向けの補習教室、男女共同社会に向けた女性たちの学習会などがあった。60年には2階を増築し、青少年ホールを開設。青少年向けの文化活動も展開した。

 また、廃油や古紙、牛乳パック回収など、リサイクル運動にもいち早く着手。生涯学習なども含め、さまざまな取組で表彰を受けている。

心変えず役割を変化

 80年代、鶴見図書館をはじめ、公的施設での本の貸し出しが始まった。それにともない利用者数も減少。年間利用冊数も、78年、児童書3998冊、成人向け2574冊をピークに減り続けた。

 2016年、一定の役割を終えたとして蔵書を整理。苦渋の決断だった。現在は乳幼児と児童書を残すのみとなっている。

 それでも、年一度のバザーは恒例で、「子どもたちが待ち望むイベント」と、現東台小の松本久美子校長は話す。

 祝う会でステージを披露したコーラスや、社交ダンスといったグループの活動場所、各団体の集まりなどの役割も大きい。

 高山昌子館長は「皆さんの役に立つことが存在意義」と語り、さらなる発展を誓う。20周年の記念碑に刻まれる「みんなで育てたみんなの図書館」の碑文。「令和の時代も地域の居場所に」とスタッフは意気込んでいる。

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