鶴見警察署協力のもと、犯人像や侵入経路などを伏せた形で行う不審者対策訓練が、県立鶴見養護学校で18日に行われた。参加者からは「次の動きが読めず怖かった」「一瞬の判断が難しい」などと、実際に即した訓練の重要性を語る声が上がった。
訓練は同校が毎年企画。内容は警察が考案し、犯人の人数や性別、人物像や想定など、すべてを伏せた状態で行う本格的な訓練となっている。
当日は、2回実施。使用するエリアのみ決められ、教職員らは先生役、児童・生徒役、見学者にわかれた。
今年の犯人役は男性一人で、一回目は幻聴がきこえ、「ストーカーがいる」などとつぶやく人物を想定。二回目は学校の騒音で失職したとクレームに訪れる人物を演じた。二度とも終盤に刃物を出し、数人がかりで取り押さえる場面があった。
撮影した動画を見ながら行われた講評では、署員が「一人での対応が長い」「犯人との距離が近く刺される可能性がある」などと指摘。警察への通報が刃物を出した時点だったことを聞き、「通報は不審者が侵入した時点」とアドバイスした。
一方、外を回って職員室に連絡を入れた教諭がいたことにも触れ、「校内では携帯電話を持っていないと思うので、とっさの機転は素晴らしかった」と評価した。
目前集中で声出ず
同校は川崎市登戸で5月に発生した児童殺傷事件後、安全対策への保護者の関心が一層高まっていたといい、井出和夫校長は「訓練の重要性を再認識していた」と話す。
最初に発見した男性教諭は「大声を出して興奮されたらと考えた」と、応援を呼べなかった状況を吐露。教室内から出て駆け付けた2人の教諭は、音がほとんど聞こえなかったとし、「初めは酔っぱらった人かと思った」と受け手による第一印象の違いも鮮明になった。
3人は「目の前に精一杯ですぐに声が出ない」と振り返り、「客観的に反省もできるので、こうした経験は必要」とした。
同校は今後、アンケートなどで結果をフォローしていくという。
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