鶴見区版 掲載号:2019年8月29日号 エリアトップへ

陶芸家として活躍し、子ども向けワークショップなども開く 前田 正博さん 北寺尾在住 71歳

掲載号:2019年8月29日号

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陶芸は面白い それがすべて

 ○…栄えある数々の受賞歴。作品は中学校の美術の教科書に載る。「焼き物の楽しさを広めたい」。サントリーのプロジェクトに協力し、東日本大震災後の東北で始めたボランティアのワークショップ。工房を構える六本木や横浜市内で開いてきたが、今夏、地元鶴見で初めて企画した。白い磁器に色鮮やかな転写紙を貼り、焼きつける。子どもたちの思い豊かな作品を前に、「適応力が高い。すごいよね」と目を丸める。

 ○…京都府生まれ。幼いころから絵を描くのが好きだった。芸術の道を決定づけたのは、中学時代の美術教師との出会い。「きれいな人で、よく下宿先に遊びに行った」と笑う。置いてあったたくさんの画集。思春期の中学生が、美術の楽しさに目覚めた瞬間だった。陶芸を選んだのは東京藝術大学入学後のこと。「焼き物は変化する。一番面白いものを選んだ」。磁器に色を入れ、焼く――丹念に重ねる、色絵という技法。唯一無二の道を貫いてきた。

 ○…僧侶だった妻の父の縁で、鶴見に住んだ。「若いときは三ツ池公園でテニスもした」という快活な一面も。デザインのインスピレーションを求め、本屋めぐりが息抜きの一つ。常に作品のことを考え、生む苦しさすら楽しむ。少しの環境の違いで変化する焼き上がり。「窯出しのときが一番楽しいんだ」。刺激的な一期一会の毎日。語る目は少年の輝きだ。

 ○…「工芸って地味だから人気ない。稼げるって教えないと」。そう冗談めかす。作品づくりとともに、ライフワークになったワークショップ。一昨年、中区馬車道に開いた磁器研究所でも不定期に開催する。「小さいころから知ってもらうことは大事」。職業・陶芸家。自身という器を通し、社会へ、後世へ、面白さを伝えていく。

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