東寺尾第一自治会(清水正男会長)の住民らが、長く市に要望していた庚申塔の移設が9月14日に完了し、言い伝えを記した高札とともに約5年ぶりに元の位置に戻った。住民らは「江戸時代から地域を守ってきてくれた庚申塔。本当にうれしい」と喜んでいる。
この庚申塔は、享保年間に建てられたもの。青面金剛像がまつられ、かつての村の入口とされる、東寺尾一丁目ふれあい公園の麓あたりに置かれていた。
移設の話が持ち上がったのは2014年。土地の所有者が横浜市に移る際、神仏関連の設置物は移設が必要だったことから余儀なくされた。
土地については、市が公園を整備するとしていたため、住民らは整備後に庚申塔を再度戻すことを条件に納得。同じ自治会内の松蔭寺が協力し、仮置場としてまつっていた。今回、周辺の整備に合わせ、約5年ぶりに元の場所に戻った。
移設に向け奔走した同自治会福祉部の内井寿久さんによると、「翌年には公園は完成していたが、戻す話は出ず、この間ずっとお願いしてきた」と念願の再設置に胸をなでおろす。
幻の一本目
ともに移されていた高札は、庚申塔の言い伝えを記したもの。同自治会も含む、東寺尾や馬場周辺の自治会長らが結成した団体「寺尾奉行」が建てたものだ。
同団体は、中世から江戸時代にかけて、民衆向けに法令などを公示していた掲示板である「高札」を用い、地域に眠る歴史や文化を発信。庚申塔の高札は、現在28カ所あるうちの記念すべき一本目だったため、これまでマップに掲載されるのみの「幻の高札」と呼ばれていた。
寺尾奉行の一人は「これでようやく全て揃った。改めて見て回ってもらえれば」と話した。
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