鶴見警察署協力のもと、犯人像や侵入経路などを伏せた形で行う不審者対策訓練が10月29日、末吉いづみ保育園(酒井利恵子園長)で行われた。参加者からは、「全然動けなかった」「実際に起こりそうな想定」と訓練の重要性についての声が上がった。
同園では3度目となる訓練。内容は警察が考案し、犯人の人数や性別、人物像や想定など全て伏せた状態で本格的に行われた。
当日は、2回実施。使用する部屋のみ決められ、教職員らは先生役、園児役に分かれた。
犯人役は男性一人。1回目はリストラになり、「弱い者を殺そう」とフェンスをよじ登って侵入してきた人物を想定。2回目は、離婚協議中で親権を取られそうな父親が「子どもに会わせてくれ」と土足でのりこむ状況を演出。両犯人とも刃物を持ち、2回目は自殺を図る場面もあった。
講評では、110番した際に慌てないよう住所を覚えておくことや、刺又は数本で使うべきなど注意を促した。一方で、一人目の先生役が犯人役に対応した後、2、3人目が素早く近寄ったことや、自殺を試みた犯人に対する迅速な手当などは高評価だった。
また、訓練前の入園時、署員が手帳を見せていないにも関わらず園内に入れたことなどを挙げ「警戒心の薄さ」を指摘していた。酒井園長は「こういった本番さながらの訓練はいざという時の為に必要」と話した。
保育園で19件
5月に川崎市で発生した児童殺傷事件の影響もあり、保育園での訓練要望が増加しているという。今年、同署が区内の保育園で行った訓練は19件で、今後も6回を予定。保育園のほか、大型商業施設や学校などでも実施されている。署員は「確率は低いかもしれないが事件は起きている。一度でもやっておくと違う」と呼びかけた。
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