鶴見警察署(須藤正彦署長)は、運転免許証の自主返納者に対し、これまでの運転歴などに敬意を表す「卒業証書」の交付を開始した。署独自の取組で県内初の試み。3日には第一号として鶴見区老人クラブ連合会会長・烏田次雄さん(79)に証書が手渡された。
卒業証書は、署員が企画・制作。県警察では、返納時にクリアファイルを配布しているが、各署200枚と少なく、近年は不足していたことから代わりになるものをと考案された。
また同署によると、自主返納を勧めたい家族などから、「なかなか納得してくれず、困っている」という相談が寄せられることもあり、円滑な手続きを促すアイデアとしても実現した形だ。
証書はA4サイズで、自主返納の申請を行った際、日付と署長印が捺印され授与される。交付に年齢制限はないものの、「特に高齢者が身体機能の低下などを自覚し、大切にしている免許を返納することに敬意を表したい」と同署は話す。
区内1千人超
自主返納制度は、高齢者による事故増加を受け、1998年に始まった。02年からは、身分証明書として活用可能な運転経歴証明書も発行。年齢制限は設けていない。
区内の返納者数は増加傾向にあり、今年1月から11月末時点で1175人と、すでに昨年を422人上回っている。内訳はほとんどが高齢者だという。
「いい機会に」
趣旨に賛同し、証書交付第一号となった烏田さんは、運転歴50年以上という大ベテランだった。
定期的に運転していたが、数年前から認知力などの低下を自覚。やめるために4年ほど前から運転を控え、公共交通機関を使うなど「訓練してきた」とする。
返納については「正直さみしさはある。ただ、夜間など体が追い付いていないと思うことが増えた。取組はいい機会になる」と、鶴見署のアイデアを歓迎していた。
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