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「ダンスがあったから今がある。私の宝です」 強くしなやかに、前を向く ブレイクダンス・ERiさん

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掲載号:2020年1月1日号

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ブレイクダンスのポーズを決めるERiさん
ブレイクダンスのポーズを決めるERiさん

 「人生は一度きり。だから悔いのないよう、楽しんで生きたい」――。

 その言葉を体現する人が鶴見にいる。鶴見中央のダンススタジオ「WAAAPS」で教えるERi FeNeSiS(エリフェネシス/本名・田場絵利子)さんだ(38)。ヒップホップやロックなど、数あるストリートダンスの種類の中でも、床を使って体を回転させ、ポーズを決めるなど、様々な技を組み合わせて表現するブレイクダンスを得意とする。世界大会での優勝経験を持ち、審査員としても活躍する輝かしい経歴。その裏には生命のドラマがあった。

襲い来る病

 ブレイクダンスに出会ったのは、アメリカの大学へ通った21歳の頃。「技のできた、できないがはっきりしていて、他のとは違う魅力があった」。働いて学費を稼ぎながら、勉強し、週末にはダンス大会に出て、数々の結果を残した。

 5年半のアメリカ生活を経て、帰国。「日本でこれから」という27歳の時に、子宮頸がんを患った。「なんで私が」。不安で泣き続けた。

 幸いにも全摘出は免れ、手術は成功した。転移や再発も見られなかった。OLとして働きながらダンス活動も続け、同じダンサーと結婚。順調に見えた。しかし、悪夢は終わらなかった。一昨年、突如襲った原因不明の体調不良。精密検査をするも病名が分からず、ついには検査のために開腹。ようやく血液の癌である悪性リンパ腫の一種であることが分かった。「死が見えた。自分、癌で死ぬんだなって」

夫の支え

 昨年5月から抗がん剤治療を受ける予定だった。「何より髪が抜けるのが嫌だった」。支えたのは夫だった。「どんな姿でも好きだし、離れないって言ってくれて」

 抗がん剤以外に方法はないか学んだ。有名な本の著者に会うなど、藁にもすがる思いだった。その思いが通じたのか、奇跡が起きた。直前に受けた検査で、癌が一切見当たらなかったのだ。医者にはたまたま進行が遅いだけで治療は必要と言われた。抗がん剤治療を受けることをやめた。

生き方改革

 「いつまで生きられるか分からないって思ったら、好きなことしようって思って」。OLの仕事を在宅に変え、ダンスの仕事に注力した。野菜嫌いも治し、ヨガも始めた。練習も重ね、体作りの努力も怠らない。「そうしないと若い子に勝てないから」。10月の世界大会では準優勝に輝いた。コーヒー好きな夫とカフェ経営の夢もある。「病気が気付かせてくれた。生き方改革です」と笑顔を見せる。

鶴見から世界へ

 音楽が鳴ると自然と体が動くという。ダンスは彼女自身の一部だ。「ダンスがあったから頑張れた。夫にも会えたし全国に友達ができた。私の宝。感謝しかない」

 2024年、パリ五輪に新競技として追加されたブレイクダンス。WAAAPSには、五輪に行きたいという生徒がいる。「教えると1が3になって返ってくる。これから楽しみ」と期待に満ちた表情を見せる。「人生は一度きりだし、努力すれば好きなことして生きていける。悩んでいる人に勇気を与えたい」。人生を変えた宝であるダンスとともに、強く、しなやかに生きていく。

スタジオで子どもたちに教える様子
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