東京2020オリンピック聖火リレー神奈川県実行委員会が推薦する聖火ランナーに選ばれた 藤井 文(あや)さん 鶴見中央在住 47歳
大好きな日本へ恩返し
○…東京五輪の聖火ランナーに選ばれた。「締切ぎりぎりで申し込んだし、まさか選ばれるとは」とおちゃめな笑み。大のスポーツ好きである夫や、親戚の子がボートを習う鶴見川漕艇場で出会った元五輪選手の人柄に惹かれて応募した。「運動は大の苦手。でも日本人の努力する姿勢、頑張る姿を見て、自分も頑張りたいと思った」
○…日本人の夫との結婚を機に2005年、中国から来日。「整備された綺麗な町、互いに信用し、しっかりと守られるルールに感動した」。しかし、初めは日本語も分からず、友人もいない。子育ても分からないことだらけ。寂しさから町に出て偶然、障害者のローリングバレーボールに出会った。不自由ながらも自分の力で体を動かす姿に心打たれた。「努力家が多い。日本の違う意味での豊かさを見た」。その後のボランティアの道は決まった。
○…現在は義母、親戚の子、夫の4人暮らし。休日は夫に連れられバッティングセンターで汗を流す。中区国際交流ラウンジを経て、現在は鶴見のラウンジで中国人スタッフとして働く。ローリングバレーボールに出会って以来、在日中国人児童らの手助けなど、様々なボランティアに挑戦。日本語も上達した。「色々な人に助けられ、仲間もできた。今度は恩返しがしたい」
○…聖火ランナーとして走ることをきっかけに、更に奉仕活動に力を入れたい。「やりたいことは山ほどある」。これまでは在日中国人コミュニティとの関わりが多かったが、日本人団体に入って福祉などの活動をしたい。花壇整備など町の美化へも関心がある。「日本人の当たり前は当たり前じゃない。もっと魅力を伝えたい」。感受性豊かな挑戦者が日本の恩返しに奔走していく。
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