―社長列伝― vol.1 ｢華やかじゃない。縁の下の力持ち」 （株）クラフト代表 立松正美さん（69）
スタジオの庭で草木の説明をする代表
1981年、名古屋で設立。08年には横浜スーパーファクトリー＝末広町＝内に事務所・工場を作り、15年からは駒岡に新拠点を設けた。CM、PV、イベントなどで使用する美術セットのデザインや、大道具制作といった事業を展開する。
夢で見たスタジオを現実へ
――有名ＣＭも多数手がけているそうですが、とても華やかな業界というイメージです
「全然そんなことありません。23歳の頃に会社を立ち上げましたが、その頃はＣＭの創成期。手探りの中、３ｍのカメラを作りたいとか、監督から突拍子もない要望が来る。できないといったら仕事が来ませんから、何でもできると言って後から方法を考えました。真夜中の撮影時に小道具が気に入らないと言われて、スタッフ30人を待たせる中奔走したこともあります。あと３カ月の命と言われたら、道連れにしたい人が３人ぐらいいましたね(笑)」
――創業のきっかけは
「高校卒業後、２社のデザイン会社に勤めたのですが、二つともつぶれてしまって、自分でやるしかなくなったんです。今の奥さんと結婚する時の結婚資金３００万円が創業の資金になりました。物置みたいなところに住んでましたし、30歳まで自分の給料はありませんでした。でも好きで、楽しかったから。20年前、大阪に進出した頃は、その周辺の仕事８割を受け持つほどにまでなりました。続けていれば面白いもので、誰かが何か助けてくれるんです」
――駒岡にはこれまであったスタジオＭＡＹＵの裏に新たな５階建ビルができました
「３年程前に夢でスタジオの姿が出てきて、すぐ図面に起こしました。やってみたいと言ったら妻が銀行と交渉してくれて。すごいのは私じゃなくて妻。未来の展望は特にありませんがこれ以上思いつかないでとは言われています」
■（株）クラフト（駒岡２の17の40）【URL】http://www.craft-cm.co.jp/company/
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