区内各金融機関などでは防止策を徹底している。神奈川銀行末吉支店でも、窓口での会話を大切にし、行員全員で詐欺に対する感度を上げるよう心掛けている。
高齢の方の高額引き出しの場合や、振込先が個人名などの場合は特に注意を払い、使用目的などを尋ねるようにしているが、「自分のお金だから自由にさせてほしい」と怒られてしまうこともあると同店窓口の笠木真弓さん。それでも譲れないのは「お客様の大切な資産を守りたい」という思いがあるからだ。新人にも詐欺対策の研修会を開き、全員で気を配れるように努めている。
息子と信じ、200万
同店では、実際に詐欺を防いだケースもあった。今年5月、同店に90代男性が訪れた。「定期預金を解約したい。200万円が必要」と話し、笠木さんが理由を尋ねるも「あまり言いたくない」という。
「普段からしっかりしてらっしゃるなのですが、その日は少し様子がおかしいなと思って」と笠木さん。
応接室に場所を変えて話を聞くと「お金は息子に貸す。今こっちに向かっている」と答えたため、一緒に来るように伝えた。
しばらくして男性はまた一人で銀行へ訪れ、「息子はまだ会社にいて来られない」などとしたため、警察に通報。実際の息子に電話をかけて詐欺が判明した。男性は完全に息子だと信じ、助けたい一心だったという。
「振り込んでしまってからでは遅い。なんとか食い止めたい」と同店。日々、水際で見えざる犯人と戦う。
鶴見区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|