珈琲専門店山百合を受け継ぎ、修行を積む 慶野 未来さん 鶴見中央在勤 25歳
出会い、真っすぐ夢を追う
○…40年以上続く珈琲専門店山百合を受け継ぎ、日々修業を積む。「マスターからは毎日怒られてます。でも私、めげないタイプなので。どこがだめだったか、とことん聞きます」。柔らかい口調の中に秘められた芯の強さ。「教えてもらえる機会って年を重ねるごとに少なくなると思うんです。優しい言葉も厳しい言葉も励みになる」
○…横浜で生まれ育った。「学ぶことが好きで」。大学では教育学部を専攻し、勉学に励んだ。一方でハマっていたのが喫茶店巡り。定期の範囲内や旅行先で気になる店を見つけては来店した。「働いている人を見るのが好きで。みんなそのお店にしっくりきてるなって。人が雰囲気を作ってるというか」。卒業後は、市内の小学校で教諭として働いた。働きながらも、心にあった「お店を持ちたい」という思い。たまたま山百合のマスターと共通の知り合いがいた縁で退職し、閉店するはずだった店を引き継ぐことに。「親から反対も受けましたけど、曲げられなかった。やるってきめたら一直線なんです」
○…喫茶店巡りのほかに好きなのは散歩。２時間は余裕で歩く。「そのうちにふらっと店を見つけたりして」。偶然出会った山百合のマスターは祖父と同い年。一方、「私とマスターの孫は同い年で本当何か縁があったのかも」と笑う。
○…常に仕事のことを考えていた教諭時代、忙しさを忘れて一息つけるのが喫茶店だった。「日常の中の非日常というか、出る時にはまた頑張ろうって気持ちになれる」。喫茶店への愛が伝わる。山百合を継ぎ、大切にするのは会話だ。「店員さんに顔を覚えてもらえるのって嬉しいと思う。家族じゃないけど迎え入れてくれる、そんな場所を提供したい」
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