矢向で震災支援のオーガニックコットンプロジェクトを行う 小林 五十生(いそお)さん 尻手在住 71歳
被災地を思い続けて
○…東日本大震災で風評被害を受けた福島県いわき市にオーガニックコットンを贈る取り組みを矢向地区で2014年から毎年続けてきた。初めは取組に賛同した人が鉢で育てるだけだったが、今では町のはらっぱや自宅の畑で育てる人もおり、年々収穫量は増えている。「色々な人が協力してくれた。収穫を楽しんでくれている姿も見る」と笑顔を見せる。
○…東京都出身。長年印刷会社に勤めてきたが、50前半でセミリタイア。「これまで会社人間だった。少し時間ができたから、社会の役に立つことをしたいと思って」。震災が起き、すぐには現地に行く勇気がなかった。初めて仙台の地を踏んだのはその年の8月。「ショックだった。発生から5カ月経っても瓦礫の山だった。逆に海には何にもなくて」。休日を使って何度も被災地へ通った。震災後、耕作放棄地が増えたいわき市で行われていたコットンプロジェクトを知り、現地の人と一緒に畑で栽培した。被災地に行けなくても支援ができるようにと、活動を地元にも地道に広めてきた。
○…妻と二人暮らし。10代から続けている趣味は花の撮影。昔は夜行列車に乗って全国を回った。感動し、今でも覚えているのは北海道滝山町の芝桜。歩くことも好きで、五街道は全て制覇。区内では鶴見川沿いをよく散歩している。「やっぱり気持ちいいね」。
○…忘れられないのは被災地で通りすがりの子どもたちが頭を下げてお礼をしてくれたこと。「自己満足だと思うけど、やっぱり嬉しかった。行くたびに良くなる被災地をみるのも」。次第に復興は進んできているが、届くのは「忘れないでいてくれることが嬉しい」という声。「これからも何かしらの形で支援は続けたい」
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