東日本大震災で被災した福島県いわき市を支援しようと、矢向地区では2014年から栽培したオーガニックコットンを贈るプロジェクトを行っている。地域住民がプランターなどで育てたコットンは、昨年までで2kg近くに上り、復興支援の一助となっている。
地元でも支援を
矢向地区のオーガニックコットンは、日本在来種の茶綿を、化学肥料を使用せずに育てられたもの。取り組みは、尻手在住の小林五十生さん=人物風土記で紹介=が中心となってスタートした。
小林さんは、震災の年の8月からボランティアを始め、仕事の傍ら、これまで仙台や気仙沼などの被災地へ何度も足を運んできた。
ボランティアを続ける中で「もっと手近に、地元でもできる支援がないか」と考えていた小林さんは2012年、いわき市で行われていた「オーガニックコットンプロジェクト」の存在を知った。
同プロジェクトは、震災後、風評被害により耕作放棄地が増えたいわき市で、食用でなく出荷できるオーガニックコットンを栽培し、Tシャツやタオルなどに商品化する取組。
小林さんは活動に参加し、栽培方法を勉強。現地でもらったコットンの種を地元でも広めようと尽力。所属しているボランティアサークルマロニエや、近隣の自治会長らが協力し、各家庭や町の原のはらっぱなどでも栽培が行われてきた。本格的に収穫が始まった15年から昨年までで約2kgのコットンがいわき市へ贈られた。
継続に意義
今年も11月27日、地域住民らが育ててきた約560gのコットンが矢向地域ケアプラザに集まった。当日はコットンの種を抜く機械なども設置され、通りすがりの子ども達が仕分けを体験した。小林さんによると、約400gでTシャツが1枚作れるほどの量になるという。
来年は、小林さんがプロジェクトに携わり、10年の節目だ。いわき市も復興が進み、農作物の栽培を行っている農家も多いというが、小林さんが活動を続けるのは「震災を忘れないでいてくれることが嬉しい」といういわき市の人たちの声があるからだ。
小林さんは、「被災地の現状も変わってきている。今後、オーガニックコットンの栽培という形ではなくなるかもしれないが、何かしら支援という形でずっと続けていきたい」と話した。
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