ムエタイのスーパーライト級で初の日本王座を獲得した 鈴木 真治さん 小野町在勤 36歳
「強くなりたい」夢追い続け
○…「勝てて嬉しいのはもちろんですが、ホッとしたというのが正直な気持ちです」と謙虚な笑顔で語る。4月3日に行われたムエタイのスーパーライト級タイトルマッチで勝利し、初の日本王座を獲得した。
○…宮城県仙台市で生まれ育つ。格闘技に興味を持ったのは14歳の頃。「男の夢というか、強くなりたい一心」で本屋で見つけたムエタイやキックボクシングの本に夢中になり、技の豊富さや力強さの虜に。すぐに地元のジムの門を叩いた。そして更なる強さを求めて19歳で東京のジムに移籍し、プロテストに合格。30戦以上の戦歴を経て、29歳で国内の団体・J-NETWORKのスーパーライト級王者に輝いた。一方で、プロ選手でもアルバイトなどで生計を立てなければならない厳しい世界。朝練のあと仕事をし、夜も練習。厳しい減量や怪我の絶えない選手生活だが、「試合に勝ってスポットライトを浴びると、苦しさを全て忘れさせてくれる感動がある。一度味わうとなかなか辞められません」と白い歯を見せる。
○…しかし、30歳の時の試合で眼か底骨折の大怪我を負い、一時は引退も考えた。そこに声を掛けてくれたのがフジマキックムエタイジムのマスター、藤牧孝仁さんだった。「『お前はここで終わる選手じゃない』と言ってもらえて嬉しかった。あの時、現役続行の決断ができたからこそ、今回のベルトを取ることが出来ました」
○…「自分は技術の高い選手ではない。気持ちで戦い、前に出続けるしかない」。今後は王者としての防衛や世界戦への挑戦も見据える。「今は怪我で練習ができないので、趣味の釣りを鶴見川で楽しみたいですね」。しばらくの休息後、ファイターの戦いはまだまだ続く。
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