ひでしの「実績で勝負」30県政報告 鶴見に再エネ水素ステーションが開設 公明党 鈴木 ひでし
国は昨年12月、「水素基本戦略」を閣議決定しました。その中で、将来目指すべきビジョンや行動計画を示し、本格的に水素エネルギーを普及させる考えです。
私は、平成27年12月に開催された県議会第3回定例会産業労働常任委員会で、太陽光発電を利用して水素を製造するモデル事業を提案していましたが、それがようやく鶴見で実現しました。
未来へ夢ある事業
県が鶴見区生麦のキリンビール横浜工場内に建設していた「神奈川県再エネ水素ステーション」が完成し、運用を開始しました。同工場は、年間15万人が訪れる鶴見を代表する人気スポットです。
この水素ステーションは、工場に設置されている薄膜太陽電池で発電した再生可能エネルギーを利用し、CO2フリーの水素を製造。FCV(燃料電池自動車)に充填する設備です。電気を使用して水を電気分解して水素を製造しており、水素製造時にCO2を排出しないのが最大の特徴です。
1日最大1・5kgの水素が製造可能で、これはFCVに充填すると150Km程度走行できる量です。このステーションのように、再生可能エネルギーと豊富に存在する水を使用して水素を製造できれば、エネルギー問題や環境問題の課題解決に道が開けますが、水素製造コスト面でまだまだ普及するレベルには至っていません。したがって、ここは未来に向けての技術が詰まった夢のあるステーションです。
また、水素というと爆発などの危険が思い浮かびますが、このステーションでは、万全の対策が施されています。万一水素が漏れた場合にも、すぐに拡散するような工夫や、火器と十分な距離をとるなどの安全対策がしっかりされています。
鶴見から始まるCO2フリー社会
この再エネ水素ステーションを利用するのが、鶴見の東宝タクシーです。今回の事業に合わせて、ホンダのFCV「クラリティ・フューエルセル」を導入しました。東宝タクシーは、平成23年からEVタクシーを導入するなど、県の事業に協力いただいています。災害時には、FCVに充填されている水素エネルギーを活用すると伺っています。鶴見の再エネ水素ステーションを鶴見の企業が利用する形となり、私としては、大変喜ばしいことだと感じています。
当面はハイヤーとして運行し、3年以内にタクシーに移行するとしています。タクシーとしての運用が始まれば、区民をはじめとして多くの皆さんにCO2フリー社会を実感していただくことができます。
観光振興にも期待
県はFCVの導入や水素ステーション整備に補助を行うなど、水素社会の実現に向けて日本をリードしていますが、まだまだ水素エネルギーの必要性が皆さんに伝わっていないと感じています。
私は、再エネ水素ステーションが整備されるキリンビール横浜工場や生麦事件を生かした観光振興についても、平成28年6月の県議会第2回定例会において、黒岩知事に提案しました。
今後、この神奈川県再エネ水素ステーションを起点として、県が目指す新たなエネルギー自立型の社会の姿を積極的に発信していくよう、県には期待していますし、この取組が地元鶴見の観光振興にもつながるよう、私も取り組んでまいります。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|