本紙は年頭にあたり、神奈川区の昨年の取り組みと今年の展望について、岡田優子区長に取材を行った。岡田区長は、地域との協働事業などを振り返ると共に、待機児童対策や青少年の地域貢献などについての展望を語った。(聞き手は本紙編集長・藤原 裕志)
――昨年の神奈川区政を振り返り、どんな1年でしたか?
岡田―子どもが健やかに育つまち、いざという時に助け合えるまち、そんな神奈川区でありたいと頑張りました。町がきれいでなければ、心のきれいな子どもが育つわけがない。ご高齢の方がいきいきと暮らせなかったら、子どもたちは夢を語れない。地域の方々との協働事業は、本当にたくさんの成果が出ています。
地域、学校、そして神奈川大学の協働で始まった、区内の小・中学校の子どもたちへの学習支援や神大寺地区センターの青少年活動拠点でのサポートなどは、市内初の取り組みです。今後の展開に期待したいです。
ニッパツ三ツ沢球技場がホームの横浜FCとはエコパートナー協定を結んで「エコ活」してます。全ホームゲームで入場者1人に対して1kgのCO2をカーボンオフセットされますので、観戦者が増えるほどエコになるという仕組みです。これによって区役所は、エコパートナーになり、区内小学生以下はホームゲーム無料のフリ・かめキッズパスを発行してもらいました。また横浜FCにご協力いただいている「ぽるとカップ」という障害者のフットサル大会があるんですが、去年の第3回大会では、残念ながら優勝カップが千葉にわたってしまいました。今年はぜひ取り返したいですね。
神奈川区の窓口が一番混み合うのは3月中旬〜4月中旬です。20代、30代の方々の人口流動がとても大きい区です。なんとかお待ちいただく時間の負担感を少なくしていただけるように、横浜市で初めて戸籍課の受付番号札にQRコードをつけ、携帯端末で外出先でも受付状況が確認できるようにしました。これは好評でした。
一方、保育所の待機児童解消は、なかなか進みません。厳しい数字が胸を刺します。「育みハミング♪かながわく」まだまだです。
――23年度の区政の重点施策などを教えて下さい。
岡田―まず、待機児童対策と青少年の地域貢献。区内すべての保育園での定員見直しや幼稚園の一時保育、もちろん保育園も新設したい。中・高校生はパワーありますね。中学生の防災訓練やエコ活動などは頼もしい。地域祭りにも参画してほしい。神奈川区に縁ある子どもたちの自分探しをもっともっと応援したい。
もうひとつは、健康づくり。過度なダイエット、スナック菓子への偏食などの間違った食習慣は、万病の元ですから、地域と協働で食育を推進したい。昨年、菅田中学校の家庭科の調理実習で、地域のヘルスメイトさんに手伝っていただいたんですが、これが先生や生徒から「またやってほしいと」とても好評でした。
認知症の予防にも取り組みたい。やらなければと思うことばかりです。念願でした六角橋に地域ケアプラザがオープンします。皆さんぜひご活用ください。
――新春にあたって、区民へのメッセージをお願いします。
岡田―横浜市は新しい中期計画を策定しました。厳しい経済状況は変わりません。予算がないという財政の壁、前例がないという意識の壁、責任分担という縦割りの壁、これらの壁を越えなければ何も進みません。いろいろ悩み考え天を仰ぐとき、区内でお会いするたくさんの方の笑顔を思い浮かべると、元気が湧きます。厳しい船出の年だからこそ、皆さんの笑顔に応える行政を推進しなければと思います。
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