市営地下鉄 ２カ所に津波避難路 沢渡換気所を活用へ
沢渡公園内の換気所
横浜市は、巨大津波による浸水被害が予想される横浜市営地下鉄の横浜駅―吉野町駅間における避難対策として、神奈川区沢渡と中区花咲町の２カ所に避難口を設ける計画を進めている。
これは、空調管理のために設置されている換気所を避難口に活用するというもの。今回整備の対象となったのは、横浜―三ツ沢下町間の沢渡公園にある「沢渡換気所」と、桜木町―高島町間の掃部山公園付近にある「花咲換気所」。現在はハシゴで登らなければならない部分があるなど、管理者向けに作られている。そのため地震による停電時に電車が駅から離れた場所で停止し、かつ津波警報が発令された場合を想定して、非常時に安全に地上まで上れるように整備し直していく。「沢渡換気所」では今年度内の着工、完成を予定しており、「花咲換気所」では来年度上半期の完成を目指す。
工事では大勢の乗客が安全かつ迅速に地上に出られるよう、新たな階段や案内板などが設置される予定。沢渡換気所は、道路の向かいに沢渡中央公園や市民防災センターがあり、避難しやすい立地にある。
東日本大震災後、市交通局では１６０５年に南海トラフで発生した慶長地震を想定した「津波対応マニュアル」を作成。避難訓練などを実施し、バスや地下鉄における安全面の強化に努めてきた。市交通局建築課の渡部誠課長は「利用者が線路を歩く距離を少しでも短縮し、津波が達するまでに避難を完了させる助けになれば」と話している。
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