地域と顔の見える関係を 川名区長、今年の展望を語る
本紙は年頭にあたり、神奈川区の昨年の取り組みと今年の展望について、川名薫区長にインタビューを行った。川名区長は4月に着任してからの約9カ月間を振り返るとともに、地域力に対する区役所の支援体制の強化などについて語った。
(聞き手/本紙編集長 藤原 裕志)
――区長着任からの約9カ月間を振り返って下さい。
「区民の生活が市職員だけでなく、民生委員など沢山のサポーターに支えられていることを再認識しました。神奈川区には『つながり』を大切にする温かさを感じます」
待機児童を削減
――神奈川区政としては、どんな1年だったでしょうか。
「昨年は、入江と六角橋に認可保育園を新設したほか、保育コンシェルジュによるきめ細やかな相談対応を行ったことで、昨年4月現在で待機児童を11人まで減らすことができました。また、区民のニーズを区政に生かすために、3年ぶりに『区民意識調査』を実施しました。防災関係の設問では、家具の転倒防止など、生き延びるための『事前防災』についての意識が低く、改めて周知の必要性を感じました。定住意向に関する設問では、75・8%の方が住み続ける意向があることが分かりました。
ごみと資源の総排出量を減らすために、『ヨコハマ3R夢(スリム)プラン』の推進にも力を入れました。1人1日あたりに出す燃やすごみの量は、10月末現在で419g。2012年度の目標は416gなので、あと割り箸1膳分(約4g)で目標に達します。今後もマイバッグ・マイ箸の利用などのリデュース(発生抑制)の啓発に取り組んでいきます。
横浜FCとは、区民を試合に無料招待する『かながわ区民DAY』をはじめ、地域の清掃活動への参加や神奈川大学も協力してサッカー教室を開催するなど、様々な形で連携を進めてきました」
地域力が不可欠
――2013年度の重点事業について教えて下さい。
「まずは、『地域防災力の向上』です。3・11を風化させないためにも、日本は地震列島だという認識を浸透させたいと思います。特に、『被害を最小化し、命を守る取り組み』が進むよう、力を入れて啓発していきたいです。待機児童については、今年の4月に0人にすることが最終目標です。4月には、新たに認可保育園5園と認定こども園1園が開所する予定です。一方で、高齢化の急速な進展への対応も必要です。災害時などは、地域の力が不可欠です。自治会町内会の加入率は年々減少傾向にあり、『共助』の大切さを伝えていく必要性を感じています。地域と顔の見える関係づくりを進め、区役所としての支援体制を整えていきます。
その他、神奈川区は旧東海道の宿場町として栄えた古い歴史や活気あふれる商店街があります。神奈川区では様々な魅力資源を『わが町 かながわ とっておき』として認定していますが、これを積極的にPRし、地域に対する関心・愛着を高めていきます。2015年4月に開業予定の羽沢駅については現在、連絡線の工事が進められています。利便性が高まる中、自然豊かな環境も保持しつつ、バランスのよいまちづくりを進めていこうと思います」
――新春にあたっての区民へのメッセージをお願いします。
「『すくすくかめっ子事業』のように、区内のきめ細かい子育て支援策を若い世代が評価して、神奈川区を居住地として選ぶという話も聞きます。このように、温かさのある、あらゆる世代がつながりを感じることのできるまちを作っていきたいと考えています」
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